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october.8.2016 手と腕・・・いつか僕も
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まったり。
お休みの月曜日です。今年最後のプチ連休ですが、特に予定もなくソファに座っているところ。朝ごはんを食べて、活動開始するまでのちょっとした時間。
なんとなくスマホをいじってサイトを覗いています。トアさんのページを見て、コメントに返事するのも時間かかるよね~なんて思いながら僕じゃないふりしてコメント書いたらトアさん見破れるかな?なんて考えたり。悪戯にしては中途半端だし、あんまり意味がないのでやめました。
ミネさんはニュースのチェック中。難しい顔をして新聞読んでいる姿を見てみたい気もしますが、新聞って1ケ月たつと結構たまりますよね。チラシも入っているし。電子版の新聞はアクセスし放題だし、複数の新聞社をチェックできる。新聞や雑誌が売れなくなるはずです。
活字に関して、僕はアナログ派。やっぱりページをめくりたいし、本棚に本を並べたい。飯塚文庫と北川文庫の貸し借りは現在も関係良好です。ミネさんはあんまり本を読まない映像派。理さんはたまに雑誌をペラペラ派。
一緒にいるからって全部共有とか、全部一致なんてありえないですよね。でもだから一緒にいられるのかなって。自分にないものを持っているとか、自分のしらない好きを知っている相手が素敵に見えたりしますしね。ただ味覚や食べ方(ぺちゃぺちゃ音だして食べるとか無理!)金銭感覚や一般常識みたいな所は違いすぎると一緒にはいられないと思うのです。価値観の違いっていうアレです。便利な言い訳ランキング1位みたいな「価値観」
でも価値観って大事ですよね、うん、そう思います。
歌にもありますが「育った環境も違うから・・・。」はやっぱりありますよね。僕とミネさんは歳も違うし、家族構成も違う。活字派と映像派、厨房とホール(違う違う)・・・あとは・・・あとは。あれ?今まで考えたことがなかったけれど、ミネさんのここがイヤとか、ここは合わないなって感じたことがないかも。
えええ!これってすごいことじゃないですか?
うわああ!それって僕メロメロってことじゃないですか?
エヘヘ
SABUROの皆さん、高レベル男子だと思うのです。僕は・・・高レベルとは違いますね。普通です、普通。そういえば札幌の女性は綺麗だとかレベルが高いとか聞いたことがあります。ずっと住んでいるから気にしたことがないし、僕の場合は関心もないわけで・・・。
もしや札幌男子は全国的にみて高レベルなのか?
こういう時は検索してみましょう。
『都道府県 もてる ランキング』
ダダン!一位「東京都」
え?そうなんですか、東京・・・?僕的にはピンとこないですけど。
「ハルはまた何かの診断してるのか?奴隷ちゃんじゃなくてシモベちゃんとか?」
ミネさんは冗談100%ですの顔をしながら笑っている。奴隷ちゃん度が高くてシモベちゃん度までトップクラスだったら僕の存在価値って支配者なしには成立しませんって事になってしまいます。
ん?それってミネさんなしには僕は存在できませんってこと?
ええ~~ええ~~!!
エヘヘ
「一人で楽しそうですね、北川君。顔が緩んでるよ?んで何調べてるの、真面目な話。」
「SABURO軍団は僕以外レベル高し!って感じじゃないですか。北海道は全国的に見てモテるのか知りたくなってランキングを調べてみたのです。でも一位が東京でした。なんかピンときませんね。」
「僕以外?ハルはかわいい族の酋長です!」
エヘヘ
ホッペをプニプニされました
エヘヘ
「さらに顔が緩みましたよ北川君。それで?東京たって大部分が地方出身者じゃないの?」
「あ、それです。僕がピンとこない理由。」
「んで?理由は?」
「ええとですね・・・「視野が広い気がするから」・「東京の遊び方を知っているから」「ネームバリュー」
・「洗練された雰囲気と、地元に戻るっていうのがないところ」 ・「何でもスマートにこなせそうだから」 ・「本当に東京に住んでいるのだと、お金持ちのボンボンである確率が高いから」
・「都会育ちはカッコいいです」 ・「おしゃれで素敵なデートをしてくれる」 ・「ファッションセンスがいいイケメンが多そう」
ですって。別に東京じゃなくても当てはまりそうです。」
「地元に戻るとか田舎に帰るって俺はいいって思うけど。サトルの「実家帰る。」ってチョッと羨ましい。春に皆で行ったせいか、サトルの地元好印象。」
桜がきれいだったし、星がたくさんあった。うまうまカーは怖いけど、いつもと違う景色を眺めながらのドライブ、楽しかったな~。
ミネさんが横からスマホの画面をスライドさせた。
「北海道5位じゃん。」
「あ、ほんとですね。」
「1位 東京都 43.7%
2位 神奈川県 13.3%
3位 大阪府 8.0%
4位 福岡県 6.7%
5位 北海道 5.0%
なんつうかこれ、100万以上の都市が並んでいますって感じだな。おまけに3位からは一ケタのどんぐりの背比べじゃん。北海道はどういう理由?」
「「なんとなく、おおらかなイメージ」 ・「のんびりしていて安心するので」 ・「大泉洋のイメージがある」・「北国の男性はマメなイメージがあるから」
・・・ってなんですかね、これ。」
「道民のイメージが大泉か!北海道出身の芸能人他にもいるのにな。」
「ドリカムのほうがビックネームじゃないですか?」
「それはいえてる。」
ミネさんはスマホをテーブルの上に置いてソファの背にもたれた。僕の手からスマホを取ると画面を落としてシャツの胸ポケットに入れて僕を見る。
「胸ポケットにスマホを入れるのはナシだな。デローンとして格好悪い。」
自分の胸を見ると確かにデローンとしていた。もっと寒くなってから着るゴワゴワのネルシャツ(暖かいから好き)だったら大丈夫かもしれない。今着ている柔らかいコットンのシャツには不向きです。
「イメージってなんだろな?」
ミネさんがそんな事を言うから僕も考えてしまった。印象=イメージ。第一印象?企業イメージやタレントのイメージは戦略でもある。人を評価するときの基準?
「人それぞれの中にあるイメージを抽出して一致をみた項目?俺、それってよくわからないというか、あまり気にしたことがないのよね。」
「人にどう思われても気にならないってことですか?」
「どうでもいい人にはね。」
ミネさんはハッキリさんだ。自分が望むもの、進む方向、好きなもの、嫌いなもの。それをちゃんと知っている。だからといって頑なってことはなく、新しいこと知らないことに興味深々だったりもする。
どれもこれも欲しがって迷っているうちに一つも手に入れることができなかった・・・そんな状況になったことがない人。これは僕がミネさんに持っているイメージなのかな?
「どうでもいい人ですか。」
「そう、どうでもいい人。というか俺のことをよく知らない人で俺も知らない誰かの事かな。サトルや飯塚、トアなんかがさ、俺が考えている事と違う風に感じたり思ったりしたら、やっぱりそれは気になるわけ。俺はこう思うけど、どうしてそうなったのか聞かせてくれる?ってね、聞くだろうし。
逆に俺が考え違いしていたら、それは言ってほしい。イメージってわけじゃないけどさ、なんだろ・・・同じ人間じゃないからまったく同じは無理だけど、同じ場所に立って物を見たいっていうのかな。
「俺1Fかと思ってた。」
「え~上から見ると思ってエレベーター乗っちゃった。」
「俺はすでに屋上だ。」
「僕は間の5Fで待機中です。」
みたいなことになったら見えるものが違うよね。大きさも形も変わっちゃうし。
どうでもいい人が歩きながら、飛行機の上から、隣のマンションから眺めて「え~思ったより小さい。」とか言うのは気にならない。
・・・俺何が言いたかわかんなくなった!!」
それ僕がさっき考えていたことじゃないかな。
「価値観・・・でしょうかね。まったく同じはありえないけど、共通の認識とか価値観があるから一緒にいられるのかなって。さっきそんなこと考えていたんです、僕。」
「ほおお~。」
クルン
ピンっ
クルン
ピンっ
ミネさんの人差し指が器用に動いて僕の髪で遊び始めた。クルクル巻き付いてピンとはじかれる髪の束。僕が坊主にしたらどうするんだろうな、ミネさん。
愕然とする表情がおかしくて、クスクス笑ってしまった。
「なに?思い出し笑い?」
「いえ違います。僕が坊主にしたらミネさんどうするのかなって想像したら可笑しくなって。」
ミネさんはわざとらしく顔をしかめて言った。
「店頭に並んでいる育毛剤を端から端まで買い占めて、朝晩ハルの頭にぶっかけるよ。」
やっぱり!僕もそんな気がしたんですよ!
「本当にしそうです・・・ミネさんなら。」
「おう、ついでにラップでぐるぐる巻きにしてやる。浸透するようにドライヤーであぶってやろうかな。」
かなり残念な映像がでてきて僕は噴出した。自分の坊主だってみたことがないのに、養毛剤でべちゃべちゃでさらにラップなんて!一生お目にかかれない姿ですよね。
笑っているミネさんの顔がふと優しいものに変わった。
「ハルが笑っている顔、俺好き。だからさ、しょんぼりしていたら笑わせようって頑張ると思う。
さっきの話じゃないけれど、どうでもいい人にハルが傷つけられるのは我慢できないだろうし、そんなことはあってはならない事だよね。
だから何かあったり、誰かの言葉で悲しい思いをすることがあったらちゃんと俺に言ってね。
そうならないように努力するけど、俺がハルを傷つけても同じだよ、ちゃんと言って。
ハルも俺も、お互いにイメージを持っていると思うんだ。価値観のズレだって今後絶対でてくる。
その時は諦めないでちゃんと言おうな、お互いに。
俺にとって一番どうでもよくないのがハルなんだから。」
ミネさんはいつも僕に言葉をくれる。
大事なことを言ってくれる。
その度に僕はミネさんを好きになる。
そして好きなってよかったって、幸せですって思う。
「はい、ちゃんと言います。」
クルクル
ピンっ
人差し指が髪を弾いたあと、右肩に降りてきた。そのままそっと引き寄せられる。僕はミネさんに寄り添いながら右手を伸ばして左手を取る。
ミネさんは腕で僕を抱き寄せてくれた。
僕は手を伸ばしてミネさんと手を繋いだ。
腕と手-力も大きさも全然違っている。それが今の僕とミネさんの違いのように思えた。
でも・・・でも
いつか僕もミネさんに腕をまわせるようになりたい。
ちゃんと抱き寄せてあげられるような存在になりたい。
それまで一緒にいてくれますか?
もう少し待っていてくださいね。
それまで僕はこうやってミネさんに手をのばして、しっかり繋ぎます。
・・・もう少し、甘えさせてください、ミネさん。
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