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jan.19.2017 ダメだめ初心者が二人の巻
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「それで?チケットはとったの?」
理さんにそう聞かれて「何のチケット?」なんてポヤンとした僕。理さんは呆れ顔でヤレヤレと言いました。あっあっあ~~~!京都!
「あのねえ、どういうスケジューリングか知らないけど、来週だよ?」
「あ・・・。」
「それでね、もう今日は木曜日なんだけど。」
「うわ~理さんはもう手配済ですか?」
「当たり前じゃん。ホテルだって決めないと。どうすんだよ、泊るところなかったら。京都までいってラぶホ?うわ~それ俺絶対嫌だ。」
僕も・・・嫌です。
「んじゃ、まずは価格帯でいけば断然ピーチ。関空からは「はるか」に乗るかバスで京都に行く。在来線乗り継いでもいいけど、面倒でしょ?」
「ちょっとまってください!メモします!」
というのが今日の中休みの話。かなり焦った僕は家に帰ったらすぐチケット手配ですからね!とミネさんに宣言してお仕事に突入した次第です。
すっかり・・忘れていました。チケット手配しないと飛行機には乗れませんよね(僕の馬鹿!ついでに言うとミネさんの呑気!)
そして帰宅後・・・>>>
「ピーチね。うん、聞いたことあるよ。一度も乗ったことないけど。」
「ミネさん、飛行機に乗ったのいつですか?」
「いつって・・・修学旅行。」
「・・・同じです。」
「俺達超初心者じゃない?大丈夫かな、ちゃんとできるかな。まずはパソコンちゃん、俺達を導きたまえ!」
パソコンの画面にはピンクと紫色でカラーリングされたピーチのHPです。
「ええと、出発と・・・帰りね、大人二人。さて空いてますか!お!空いてるけど・・1万円するじゃん。安いのは7千円だ。」
「ミネさん、7千円台のって関空に着くのが21:15ですよ!これに乗ったら移動するだけで1日潰れてしまうじゃないですか!」
「あんれま。」
「あんれまじゃないですよ~。一番早い便だって15:00台ですよ、関空に着くの。」
「京都に着いても何もできない感じ?寺とか閉まるの早そうじゃん。」
「それは場所によるんじゃないですかね?」
「場所って、俺達どこに行こうか決まってなかったような・・・。」
「お箸屋さんしか決まっていませんね。」
「うし、まずは箸からやっつけよう。」
ミネさんはお箸屋さんを検索。ズラズラっとでてきた検索結果から一つをクリック。切り替わった画面は結構地味目な感じですね。
「定休日は木曜。営業時間は・・・17:00クローズ。」
「それ、間に合いませんよ、絶対。ちょっと検索してみます。」
僕はスマホで路線を調べてみた。・・・アウトです。
「15:40発で17:04着ですって。」
「京都駅に?」
「そうです。」
「うわ~~うまくいかないもんだな。」
「じゃあ、ANAとJALを調べてみましょうよ。」
ミネさんはサクサク検索を始めました。大人二人、千歳~関空。1/23・・・空席はあるかな。
「・・・。」
「・・・。」
¥36,700って、なんですか、この価格差は!!
「俺達はここまでリッチじゃない・・・。」
「同感です・・・。」
イキナリ僕らの旅は前途多難です。そんなこと理さんに言ったら「自業自得」とあっさり返されるだけですよね・・・わかっています。わかっておりますが、あまりにも無計画すぎました!
旅行初心者のくせに!ああ~あ、もう。
「マヨわずに京都に辿り着いてもすでに夕方ってことだ。主だった見どころなんかは店じまいを初めているってことだよな。ホテルにチェックインして荷物ほどいて身軽になって、出かけましょう!となっても行くところがない。どこかで晩飯食べてその日は終わりってことになる。」
「そのようですね。あ、でもお散歩してもいいじゃないですか。知らない街ならブラブラしても楽しそうですよ。ワクワクします。」
「まあ、それもそっか。でもお助けマンに頼ろう。」
ミネさんはスマホを取りだしどこかにダイヤルです。まあ・・・見当はつきます。
「あ~俺。航空券は空席あったけど、ANAとかあっちは全然高くて無理。それでピーチで行くと京都ついたらもう夕方なんだよね。どこかオススメの場所ない?」
ミネさんが眉間に皺です。さては理さん、「きゃはは~そりゃそうだ、ミネ全然ダメダメじゃん!」とか言っているんですよ、絶対。目に浮かびます!猫を枝でつっつくモンキーの姿が。
「ああ、そう。へええ?そりゃなんかいいかも。」
ミネさんはスマホを肩と頬で挟んでキーボードをパチパチ叩き始めた。なんかこれスーツでしてくれたら格好よさそうですよね。理さんや飯塚さんならバッチリ絵になりそう。ミネさんは・・残念ながら裏起毛のパーカーです・・・。
パソコンの画面が切り替わった。そこに映るのは赤い鳥居。それも一本じゃなくでドワ~~~っと連続しているのです。なんですかコレ!
「すごいな、ここ。うんうん・・・へええ~。てかここ夜怖くないの?なんか写真によってはおどろおどろな感じだけど。うん・・・うん。あ~なるほどね、世界中からね。」
ミネさんの表情はいつもの優しい顔に戻りました。モンキーに手懐けされた様子です。
「うん、ありがとうな。荷物?ええ・・・と。まだ何も考えてなくてさ。キャリー?いや持ってない。なんか適当にあるものに突っ込んでいこうか程度しか・・・はいはい、認めますよ、ノープランです。
あ、そうなの?それはありがたいです。お言葉に甘えますデス、はい。
・・・なるほど。無駄にあれこれはダメってことね。わかったよ、ハルと吟味する。うん、じゃあ明日持ってきてくれる?
は~い。ありがとさん、じゃあ、お疲れ。」
テーブルにスマホを置いたミネさんがイキナリゴロンと転がって、膝枕な図になりました。まだ何も手配できてませんから!
「ミネさん!寝ている場合じゃないですよ!」
「うわ~~俺達初心者すぎて大丈夫か!ってなった!とりあえずハルのぬくもりで落ち着きたい!」
「・・・だからそんな場合じゃなくてですね。」
ミネさんはムクリと起き上がりました。そうですよ・・・僕より大人なんですから。
「ハルは荷物を何に入れていくつもりだった?」
「荷物・・・は。引越ししてきたときに身の回りの物を詰めてきたアレでいいかなって。」
「俺も何かかんかでどうにかなるかと思っていたのだが、サトルが言うにはコインロッカーに入る、そして機内持ち込みができるサイズのキャリーが便利だと。空港や電車乗るから移動の時転がせるほうが楽なんだってさ。」
「ああ・・・キャリーですか。ゴロゴロする。」
「そ、そのゴロゴロ。」
「そして週間天気を見て気温を確認すること。雨の場合折りたたみ傘を持っていく人もいるけど、現地でコンビニ300円ビニ傘買えばいいよって。濡れた折りたたみ傘を荷物に入れて持って帰るの嫌じゃない?って。無駄に服は持っていかない。どうしても必要なら現地で買えばいい。いつも使っているものにこだわらずホテルのアメニティーで充分・・・あとはココもアソコもって行きたいところでパンパンにするとロクなことにならないから絶対行きたい所を決めたほうがいいってさ。」
「・・・まるほど。」
「そんで、キャリーは飯塚のを貸してくれるって。2泊で男二人なら1個に十分収まるってさ。」
「旅慣れてますね。」
「そりゃ出張経験者だろうしな。パソコンや書類?色々持ち物あるから他の物は極力コンパクトにする技をモノにしてるっぽいな、あの言い方は。」
「それはわかりました。で、この鳥居の写真は?」
「あ、これね、伏見稲荷っていう所で、夜もなかなかいいよって。ちょっと怖い感じもするけど。人気スポットで日本人以外の観光客にも人気らしいから、ポツンと俺達だけってことはないみたい。行ってもいいかなって。綺麗だし、北海道にはないよね、こういう雰囲気。」
絶対行きたい所を決める・・・荷物は最小限に。航空券の手配と、あ!ホテルも決めなくちゃです。
何処に泊るのかは行きたい場所が決まってからですか?札幌みたいに札駅から大通、いっても中島公園界隈あたりに泊っておけばどこにでもいけるっていうエリア選択をすればいいのかな。
「どこから手をつけましょうか。」
「箸屋、伏見稲荷、錦市場。俺はここだけいければいいかな。なんていったって箸がメインだし。」
「僕は、箸屋、伏見稲荷は行ってみたいです。あとお散歩かな。神社仏閣は行きたいところがないので、普通に通りとか建物みたり、気になったお店に入ったりしたいです。」
「よっしゃ、じゃあ、まずは行きの飛行機の一便目と、帰りの飛行機3便目を手配するか。」
「それが終わったら京都の地図を見て、位置関係を把握しましょう。祇園とか鴨川でしたっけ、あれがどの位置にあるのかよくわからないので。それでホテルを決められそうですね。」
「うし!頑張るか。決めちゃわないといつまでたっても眠れない。それは困るよ、明日から週末に突入だしね。」
「頑張りましょう。ミネさんのパソコンと僕のスマホを両方駆使すれば時間短縮になりますよね。あ、僕もパソコンもってくればいいんだ。大きい画面で窓が沢山開くほうが見やすいし。パソコン持ってきます!」
僕らの京都旅行計画はこんな風に立ち上がりまして・・・ほんとに何時に眠ることができるのか。
でも旅慣れていないからこその楽しみやワクワクもあります。
それがミネさんと一緒なのが、すごくいいなって思いました。
友達との旅行計画って・・・面倒くさい、誰か決めちゃってよ派なのです、僕。
ミネさんはやっぱり別枠です。えへへ。
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