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トアと坂口さんの一週間 その3 またまた戻ってSABURO
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<<<< 再び日曜日のSABURO
「ということです」
「は~い。よ~くわかりました。とりあえずおめでとうでいいのよね?」
「でもまだ何も具体的には進んでいないよ?」
「でもお互いの気持ちは固まったってことでしょ?トアさんならご両親に反対されるなんてことないわよ」
「……そうかな。こればっかりはわからないよ。だって親はトアさんのこと知らないし。緊張して映画のことばっかり話しそう」
「その時はサカがフォローすればいいじゃない。ああ~あ、サカって呼べなくなるのね」
「いいよ、ずっとサカで。お店ではずっと坂口でいるつもりだし」
「もうそんなこと考えてるの?うわ~なんだろ、この充実オーラ」
「からかわないでよ。さっきの電話は遠いから親が札幌に来るって言ってくれたの。日曜日に休めるかかなり微妙だったから助かった」
「こじゃれたレストランに行くの?それとも和食の懐石?」
「……そこまで考えていなかった」
「SABUROは?」
「お休みだってば。だからトアさんが斜里に行きませんかって」
「あ、そっか。それは早い所店探して予約しなくちゃね。トアさんと相談してお店決めないと」
「う~~~困ったな。お母さんは食べる事が好きだけどお父さんがね。パスタならうどん、肉より魚。この世で一番美味しいのは天丼」
「じゃあ、天ぷら屋さんは?」
「揚げたてがサクっとお皿にのせてくれる所?カウンターに横並びで?」
「横並びはないわね」
「トアさんと相談する」
「それが一番いいわね。しょうがない、そのキラキラの指輪と幸せオーラを肴にガンガン飲んでやる!結婚願望はないけれど、友達が売れていくのは何だか寂しいわ」
「だからまだ具体的には何も!」
「はいはい。あらためて乾杯しよ。はい、かんぱ~い」
グラスをカチリと合わせて乾杯。優ちゃんに報告してほっとした。自分の胸に収めて置いたら、もしかして夢?なんて考えてしまいそうだったから。誰かに話して現実だということを実感できた。
シネマレストランを見ていなかったら、こんなことは起こっていなかったはず。それがとても不思議だった。そして映画の力を信じているトアさんだからこそ、映画の神様が私たちを応援してくれたのかな。
番組に出てくる登場人物と同じく私もシネマレストランで人生が変わる。与えられたこの出会いを大事にして生きて行こう。トアさんと一緒に。
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