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chapter30 ヤサ男の決意 2/14 朝~深めの夜
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なんてことのない日曜日。
日曜日はいつも一人だった。
でもそれは一日をやり過ごしたら翌日には「おはよう」の挨拶とともに男前を拝めたから苦にならなかっただけだ。
飯塚が仕事を辞めると決めた時から、お互いの部屋を行き来する時間は大幅に減った。
でも月曜から金曜の5日間、俺はアイツと一緒にいられたから大丈夫だった・・・だけだ。
たったの二か月なのに、けっこう参っている俺、情けない。
スーパーに買い出しにいって戻ると玄関ドアの前に白い袋が置いてある。なんだ、これは。
人差し指でそっと袋の口を開くと真っ赤な包み。思わず笑いが込み上げる。
「正明か。」
ちょうど一年前、同じコンビニの白いビニールに入ったチョコレートをもらったんだった。
あの時と同じように部屋に入って包みを開けると、クランキーチョコ20枚入りひと箱がでてきた。
俺は本格的に大笑いしながらポストイットをはがす。
『これに懲りずに、たまには店に食べに来てください。』
・・・なんだかジワっときた。
少しへこんだ俺の気持ちが持ち上がる。正明は俺をひっぱりあげる天才だ。
それに比べて、飯塚は・・・・。あいつのヘタレにつきあっていたらいつになっても埒があかない。
課長がベタ惚れだっていうなら間違いない!だったら俺がなんとかするしかないだろう?
今日の情熱大陸は誰なのかな、そんなことを思いながらTVの番組表を見ていたら電話がなった。
『悪いけど・・・これから行ってもいいか?』
悪いけどなんて言っている時点で挙動不審だろ、お前。
「いいよ。」
切れた電話をベットの上に放り投げて、さてどうしたものかと考える。
正気をなくした男前がバレンタイデーの日、翌日出勤の俺を訪ねてくる、こんな遅い時間に・・・だ。
『好きになった相手は意地でも口説く。』
たしかそう言ったな、アイツは。
課長の言うことを確かめましょうか。
いずれにしても何らかの結論がでるだろう、その方が今よりずっとマシだ。
なんだか妙に落ち着いている自分にびっくりだ。
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