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July 5.2015 爆弾炸裂
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「すごい反応だね。鼻から白いものだしちゃうかと思った。少し見たかったけど。」
呼吸を復活させようと四苦八苦しながら、ポケットティッシュやハンカチを駆使している俺に向かって課長は相変わらず呑気でムカツク。
飯塚が辞めて半年と少ししかたっていない。俺は1年半から2年の間は我慢だと思っていた。
課長の言うとおり、予想外で・・・こんな展開読み切れるか!と言ってやりたい。
「ちょっと真面目な話をしちゃうとだ。来期から1課と2課が統合されることになる。社長自らの改革だから、流れることはないだろうな。現場がギャアギャア喚いても、嫌なら辞めろと言われるだけ。」
たぶん今思い切り嫌な顔をしているだろう俺。
1課と2課は仲が悪い。別にクライアントに区切りがあるわけでもないし、やってる業務は一緒だ。競争させることで業績を上げる、その古い体質がそのまま残っている典型だ。
研修の時に叩き込まれる。「隣に負けるな。」
そのスローガンみたいなお題目をブツブツ唱えながら日々働くわけだ。個人的に恨みがなくても、課が違えば仲良しにはなれない。
社長の考えは正しい。だって統合したほうが今より少ない人数でも効率的にカバーできるし、新規開拓や基本ベースの維持など役割を細分化すれば、もっと明確になる。
「社長もようやく効率の悪さに気が付いたわけですね。」
「まあな。」
幾分落ち着いた呼吸にホットしながら、この先の方向性は何処だ?と気を引き締める。
「統合されれば課長は一人いればいい、ということで、俺は総務に異動になる。」
「はあ?」
「面倒のカオスみたいな所になるだろ?軌道に乗るまでさ。だから俺は降りるから束ねるのは一課の三浦だ。」
三浦課長・・・ですか。
「あれも仕事はできるんだぞ?変な対抗意識に忠実なだけでな。囲いがなくなったら頑張ってくれるさ。」
課長は店員さんに手をあげて追加の意志を伝えた。
「武本ラテのまんま?」
「あ、はい。」
「ホットのラテ、あとビール。」
あああ?
なんだそのオーダー。言っておきますが俺が飲んでいるのは「アイス」ラテです!
「一課の山脇。アレ使えるだろ。だから石川と渡辺で三羽烏にしちゃえば大丈夫。一課2課の確執の次ステップは課内の「若手vsそうでもない軍団」になるだろうな。
あとは三浦が管理すればいい。でもな、このプランがうまくいくのは武本ナシな場合のみだ。」
「はあ?」
「俺のやる気なさと異動。次はお前にお鉢が回る。そうなったら一抜けは無理だ。
だから今のうちに辞表だせ。」
「なんでそんなネタを課長がお持ちで?それに身の振り方まで決まっちゃってるし。」
「社長とのホットラインがあるの、俺の入社も縁故ってやつになるな。社長の息子と大学が一緒だった時の出来事がきっかけ。くわしい話はおいおいそのうちに。」
詳しく聞きたくありません。知らなかったほうがよかった!そう思うに違いない、そんな気がするから質問しません、補足もいりません!
「盆明けに辞表。2週間ばかり寝かしたあと説得できませんでしたと俺がオープンにする。
飯塚御曹司は家庭の事情で跡継ぎの話しはなかったことになり、共にフードビジネスにチャレンジすることになった、これが退職の理由でいいだろう。」
「随分正直ですね・・・。」
「石川と渡辺もいい線いきそうだが、もうちょい大人にならないとモテモテにはならん。女子社員はヒマなのだよ、今。目の保養や玉の輿なんていう話題に飢えている。
そこにだ、元社員のイケメン二人がレストランをやっていると聞けば行きたくなるだろ?
なるだろ~~~~?」
ゲッソリしてきた。
確かにお客様は有難いが、目的がなんというか・・・。
「そこに実巳と、あのちびっこもいるわけだし、料理がうまいとくれば常連さんになっちゃうだろ?」
「そんな簡単にいきますか?」
「女をいかにタラシこんで常連にするか。これをモノにできなければSABUROの未来はない!」
ちぇっ
飯塚の男前が不特定多数に晒されるってことじゃないか。
あれ、俺のモノなんだけどなあ~
だよね?俺のものだよね?
だとしたら・・・迂闊に近づけないくらいのキャラに仕上げると言うのはどうだろう。
ハリウッド俳優がシェフだったら遠巻きに眺めて満足するはずだ。
そうか、その手があったか・・・。
飯塚をスターに・・・。
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