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september 3.2015 さて、今日は何の日? 後篇
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「お疲れ・・・週末じゃないのに。」
帰ってきた飯塚は俺の姿を見て驚いた。
今日は休んだと言うと少し不機嫌になる、これも予想どおり。
だから渋る飯塚の腕をひっぱり部屋にご案内した。
「えっ・・・。」
固まる飯塚、これも予想どおり。
「課長が休みくれたんだ。ぼーとするのもなんだしさ、急に思い立って引っ越ししちゃった。」
「・・・全部か。」
「そ、不動産の手続きしてレンタカーを明日返せばほぼ済ませた。住変もしたし、掃除も終わった。あの部屋には何にもないのさ、ガランドウ~。引っ越し祝いしようぜ、コンビニの蕎麦買ってきたし。」
飯塚は思いっきり嫌な顔をした。
「引っ越し祝いは大賛成だ、だがコンビニの蕎麦は嫌だ。鹿追の蕎麦があるからそれを茹でる。
かき揚げでいいか?」
「まじ?いいに決まってるじゃないか!お前のかき揚げサクサクで最高だし。
本当に祝いって気分になってきた!蕎麦茹でるお湯だけ沸かしておくから、風呂はいってこいよ。
俺コンビニでもう少しビール買ってくる。」
かくして二人のささやかなお祝いがはじまり、静かに夜が更けていく。
お腹満足、ビールでほろ酔い。
だからかもしれない。俺の中の乙女ちゃんが少しばかり目を覚ましてしまった。
「そろそろ、寝ないと。明日も仕事だし。それで、話を蒸し返すようで悪いが、前にベッドを持っていく行かないで、ウダウダなったとき言ったよな。普段は俺のベッドで一緒に寝る、武本のベッドは風邪をひいたときか喧嘩になった時だって。それはまだ生きているだろ?俺の部屋にいこ・・・。」
「ちょっとまった。俺のベッドに寝る。」
「あああ?」
一気に不機嫌がぶり返す飯塚。まずは俺の話しをちゃんと聞いてくれるかな。
俺は立ち上がった飯塚との距離をつめるために同じく立ち上がり、飯塚のTシャツの裾をつかんだ。
「まずはちゃんと聞いてくれ。
ええと、俺の病欠ズル休みは2日なので、明日もめでたく俺は休みってわけ。」
「はあ?」
男前の渋面って、なんか絵になるよな~、なんて呑気にのほほんと笑みが浮かんだ俺を見て、眉間にがっつり皺がよる。いかん・・・これ以上怒らせると後が面倒だ。
「今日は9/3なわけで・・・その・・・引っ越した日ってことになるだろ。
それって俺達の同居記念日になると思わないか?」
ようやく飯塚の顔から棘が抜け始め、正統派男前が顔をだしはじめた。
ふう、よかった、よかった。
「付き合いはじめ記念日は、悪いけど俺忘れちゃってさ。
日曜だってことは覚えてるけど、お前日付把握してる?」
「・・・・そういわれると・・・。必死だったり嬉しかったり安心だったりで、何日かボ~としてたからはっきり覚えていない。あ!あれはバレンタインデーだぞ。そうだ、バレンタインデーだ!」
「だったか・・・でもなあ、バレンタインとクリスマスはカップルにとってのイベント日にカウントされている。
あとは誕生日だけど俺達は同じ月の生まれだし、まとめてしまうとイベント日が一回減る。
別に結婚の予定もないから結婚記念日もない。」
「それで?それがどうして今日俺の部屋にこないことにつながるんだ?」
朝から恥ずかしいの連続だったのに、またもやそれがぶり返してしまう。うう・・・照れるぜ。
だから飯塚の腰に腕をまわして胸に額をコテンと合わせる。
「ええと・・・だから今日9/3を俺達の同居記念日ってことにして大事にしようなって事。
そして調べたら9/3は「ベッドの日」なんだとさ。
だから毎年9/3だけは俺のベッドに二人で寝て・・・今年も一緒だったな、来年もよろしくって・・・日にするのはどうか・・・な・・と。
俺、明日も休みだったり・・・するし。」
よかった顔みられてなくて、悪いが今の赤面状況は消防車の上をいっていること間違いナシ。
いきなり渾身の力で抱きしめられ、潰れたカエルのような声がでる。
「グヘっ」
そのままズルズル引きずられて俺の部屋につれこまれてベッドに放り投げられた。
「なんでベッドの日っていうとね~」という講釈をたれて照れ隠しにしようとしたが後の祭り。
セントバーナード級の飯塚に抵抗は無理!
二人の「同居祝い」の夜はまだまだ続くようデス・・・
ま、いっか。俺も望むところだ!
ちなみになんでベッドの日っていうか教えて差し上げましょう。
Good→ぐっと、ぐって「く」に濁点ってことは=9でいけるよね!
Sleep→すりーぷ、これは文句なし「すりー」で=3でいけるね!
だから9/3だそうです。
お後がよろしいようで・・・・。
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