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january.15.2016 二人の夜はいつもこんな感じです
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「あと一ケ月もないね。」
「なにが?」
ベッドにもぐりこんだとたん、寝る準備万端の理に言われる。来月なんかあっただろうか。
「うわ~衛ったら忘れてるだろ。」
「2月・・・?」
「別に俺はお菓子メーカーのキャンペーンに乗りたいわけじゃない。クリスマスはそれどころじゃないぞ~状態だから、誕生日とバレンタインをちゃんとしようって決めたじゃないか。」
「ああ・・・。」
「なんだ、その気の抜けたような、やる気なしの返答は!」
理はグルンと回転して布団を巻きこんだ。おかげで俺は寒い室温の中に取り残される。
「おい!寒い!」
理は簡単にまた転がってきて布団を戻してくれた。お礼の代わりに頬にキスをすると頭を叩かれる。
優しいのか乱暴なのかさっぱりだが、こういう不意打ちをすると怒るのが理だ。かわいいだけなのに。
「そうか・・・日曜日だったな、2月14日。」
「へえ、日曜日か。」
「だからバレンタインデーのお祝いをしても次の日は仕事が休みということだ。少々怠くても休日だから問題ない。」
ペシッ!
またもや頭を叩かれた。お祝いといっても仕事がある。チョコレートのデザートを今年もだすのだろうか。去年はランチにつくケーキをガトーショコラにした。夜は来てくれたお客様に店からのバレンタインですとチョコレートとヘーゼルナッツのムースを小さいココットに入れて出した。
正直チョコは苦手だ。食べなくてまったく問題ない。そういえば俺達はチョコレートの交換をしたことがない。まあ・・・それもそうか、2月14日に俺のヘタレな告白騒ぎがあってからの二人なわけだし。
たぶん北川がクランキーをプレゼントしてくれるだろうから、理にチョコは必要ない。
「また去年みたいにチョコレート一杯もらうんだろうな、衛は。だからチョコは俺買わないよ。」
「今年は理もチョコが集まるだろうな。」
「俺高級なのよりクランキーの方が好きなんだけど。」
「北川にやればいい。甘いもの好きだろ?」
村崎がせっかくくれるんだから貰っておけと言った。
「そんでホワイトデーには店からデザートをお返しですって出せばいい。ちっこいココットで事は足りる。ホワイトデーに来なかった人は・・・しょうがないな、来年のホワイトデーまで持越し!」
集まったそれぞれのチョコ。どの程度の想いが隠れているのか気にするのはやめた。何か言われても応えることはできないから、渡された時にお礼を言うに留めた。
高村さんの所はまたチョコ禁止令をだすのだろうか。
「俺達にとっては、バレンタインデーじゃなくて家族記念日だな。」
理が俺の肩口に顔を寄せて言った。
付き合い始めた記念日ではなく家族記念日か。そういわれると、その日付がとても重い物に感じられて胸のあたりが温かくなった。
「シチューを作ろうか。」
「シチュー?」
「去年はタッパーに入れて持って行ったな。結局食べたのは次の日だったし。」
「そうだよ、だって何の前触れもなく「行っていいか」って電話だぞ?情熱大陸の時間に晩飯は食べないよ。あ~でも今は結構寝る前につまみを食べているな。これ歳とったらまずい習慣になりそう。」
「前の日から仕込んでおけば、美味しくなったシチューを食べられる。」
「おおお~いいね。辛口のスパークリングワインとかどお?パンもいるね。」
「そして今年も一年仲良くしましょうって気持ちを新たにする。」
「なんかそれ、元旦にしたような気がする・・・。」
「何回したっていいじゃないか。」
「「する」とか「した」とか・・・なんかそれちょっと恥ずかしいぞ!」
「いつでも「したい!」 何回も「する!」」
俺に寄り添っていた理をぎゅうぎゅう抱きしめる。
「なに恥ずかしいこと言ってんだよ!」
「理は嫌なのか?」
俺の腕の中でモゾモゾしているから、太ももの間に膝頭を潜りこませる。
「嫌とかじゃ・・・てか、どこに足つっこんでだよ。ちょっと・・・って・・ば、衛。」
恥ずかしがるだけで、理だってセックスが嫌いなわけではない。それは俺が一番知っているし、勿論他の奴に教える気はない。
「挿れないから、少し気持ちよくなろう・・・。」
何か言いだすまえに唇を塞ぐ。あと少し抵抗を続けるだろう。抵抗したという事実は羞恥心を打ち消す効果があるらしい。だから捻る身体を抱き締めて、胸を押し返そうとする腕を封じるために手を握る。
少しずつ
少しずつ
理の動きが緩やかに変わり、どんどん力が抜けて行く。
理の足はとても器用だ。
俺のパジャマのズボンの裾を足の指でつまんで引き下ろす。スルスルと足から抜けて行くパジャマ。
何度やっても俺にはできない技で、この頃になれば抵抗も羞恥心もすっかり消えている。
俺は手で下着ごと引き下ろして、足をつかってズボンを跳ね除けるちょっと乱暴な技しかない。
ベッドの奥にパジャマのズボンが埋もれてしまい、探す前に眠ってしまうのもいつものことだ。
そして朝、理は上半身だけのパジャマ姿に気づき耳が赤くなる。
先に目が覚めている俺は、赤くなった耳にキスをするのを我慢しながら背中から抱きしめるポジションをキープし続ける。どのタイミングで起きた演技をしようかと考えながら。
理の背中を温めながら、自分の腕をすべる理の指の感触を楽しむ。
きっと明日の朝もそうなるだろう。
でもまず・・・今は二人の熱を楽しもう。
「衛・・・・。」
俺は返事のかわりに手をのばし、理のまぶたに唇を落す。
これが二人の時間を始める合図。
熱くて優しい時間の始まり・・・。
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