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april.4.2016 ハルの指南-ブルスケッタ
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「まず、パンの頭をつくります。」
「あたま?」
「あ~なんていいますか、上に乗っかっているものを「頭」というのです。たとえばあんかけ焼きそばにかけるアンを頭と言ったり。「麺OK、「あたま」まわしてくれ。」という具合に使います。」
「料理の専門用語?それまぎらわしいだろ。頭まわすってかなりバカな姿が思い浮かんだぞ。」
他にも色々あるのですが、ここでギイさんを混乱させても意味がありませんよね。ミネさんは色々な店で勉強したせいか、各料理の用語がゴチャゴチャまざっています。例えば「玉ねぎはエマンセ!」と指示されたら、それは薄いスライスのことで、これはどうやらフレンチの関係らしいです。和食を作っている時は、「ハル、そのネギ打って。」となります。切るとはいわないようですね、和食界。
あ、料理料理。
ギイさんはメモ紙とボールペン用意でやる気満々です。
「まず玉ねぎをみじん切りにします。」
「俺もヒロもそれできない。」
「ヒロ?」
「聞き流せ・・・。」
ギイさんの相手はヒロって名前のようですよ!今度マスターに逢うことがあったら聞いてみよう。ヒロって人知ってますか?どうやらギイさん本気みたいですよって。うわ、楽しみ。
「じゃあ僕の妙義を披露します。頑張ってできるようになりました。」
みじん切りはエマンセの要領でできるだけ薄く繊維にそって包丁を入れる。1/5くらいは刃をいれずにです。入れ終ったら向きを変えて繊維を切るようにできるだけ薄く切ります。そうすると薄い&薄いに切られた細かいみじん切りになるのです!
駄目だ・・・この包丁、超絶切れません!
「ギイさん、この包丁ポンコツですよ。」
「切れないだろ?そろそろ買おうと思ってたとこ。」
「研げばいいじゃないですか!」
「あ~?やってられるかそんなもん。切れなくなったら買うんだよ。たいがいそんなもんだろ?一人暮らしで包丁研ぐ奴いるか?」
・・・確かに。僕だって研いだことはない。あ、でもお皿の裏側でショリショリぐらいはしましたよ。
「じゃあ、素敵みじん切りテクニックは断念ですね。まずは玉ねぎをできるだけうすくスライスします。半分くらいまで。で、向きを変えてペタンと倒して平らにします。」
「へえ~。」
「これをできるだけ細かく切っていくのです。繊維が切れていきますよね。高さがあると上手に切れないので、なるべくまな板にペタンが基本です。はい、できました。」
「おおお~みじんぎりだ!」
「じゃあ、半分はギイさんがやってください。」
「えっ・・・。」
「ギイさんがつくれないと意味ないですからね!ほらほら。」
かなりぎこちないのは否めませんが、それでも想像よりずっといい仕上がりです。意外と器用なのかな、ギイさん。
「キイ!お前料理学校の先生になれるんじゃないか?こんなに細かくできたの生まれて初めてだ!」
「そうなのです、何事もコツがあるので闇雲にやってもうまくいかないのです。この玉ねぎはボウル入れて電子レンジで2分お願いします。」
「ボウルってこれしかないぞ。」
ギイさんが手にしたのはステンレス。電磁波がスパークしちゃいます!
やむなく食器棚からドンブリをとりだし玉ねぎを入れてレンジにイン。
「トマトをザクザク刻みます。ニンニクもみじん切り。モッツァレラチーズも適当なサイの目にしましょう。玉ねぎに塩コショウをしてオリーブオイルをいれてよく混ぜます。塩がなかなか溶けないので、よく混ぜてくださいね。切ったトマトとモッツァレラを投入。そしてオレガノです。オレガノはトマトと相性抜群のハーブなので、あると便利です。バルサミコをタラっといれますよ。それを混ぜて~玉ねぎの生っぽいのが好きだったら生でもいいですけど、ちょっと熱を入れると辛みがとれて甘味がでますからね。」
スプーンですくってギイさんに渡す。
「う、うま!」
「これをスライスしたフランスパンにのせるのです。頭完成ですよ。一枚食べてみてください。」
ギイさんはフランスパンにたっぷり乗せてかぶりついた。モグモグしながら美味しいって顔。美味しいって顔は作った側も嬉しい顔になってしまいます。
「ドンブリしか使ってないので洗い物も少なくてすみます。」
「なるほど。で、これなんていう料理?」
「ブルスケッタです。ちなみにお店だと、オレガノじゃなくてバジルで、ローストした松の実が入っています。」
「どっちも知らん。でも旨そう。」
「これに冷たく締めたパスタの麺を入れると夏に美味しい冷製パスタになります。」
「白ワインに合いそうだな。」
「パスタは「カッペリーニ」がよいと思います。」
「カペ?カッペ?なんだそりゃ。」
「カッペリーニ。カ・ッ・ペ・リ・ー・ニ。天使の髪っていう意味のパスタです。細いし2分弱で茹であがるので簡単ですよ。」
「そうめん並みだな。」
「そうめんでもいいかもですよ。そうやって二人仲良く工夫してベストレシピをみつけたらいいじゃないですか。」
「・・・聞き流せって言っただろうが!」
うわ、照れてる照れてる~~。こういうのを見てウキウキするあたり、ミネさんの影響でしょうか?
僕ってば毒されてる?
「そんなことはいいから、パスタとツマミを教えてくれ!」
「了解です!」
さあ、パスタとつまみにいきましょう。つまみは魚肉ソーセージのケチャップ炒めだから、トアさんのレシピなんですけどね、ま、いっか。
つづく
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