アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
june.28.2016 恋の奴隷??
-
「なんかこういう診断ってたくさんあるよね。こういうのは女子がすきなんだろうな。すごいぞこれ『恋の奴隷度チェック』だって。なんだ、奴隷って。」
「奴隷ってことは従うとか服従とかじゃないか?転じてM度診断かもな。」
「うわ~~衛が奴隷とかありえないな、まあ、俺もだけど。」
ノートPCを開いて何を調べているのかと思いきや、単純に遊んでいるらしい。それにしてもどこからそんなサイトにたどり着いたのか・・・そっちのほうが気になる。
「試しにやってみるか。スタート。なになに?好きな人ができたらどうする?草葉の陰から見つめる・・・なんだこりゃ、話しかける、告白する・・・なんかどれも微妙に違うな。」
「じゃあ一番近いのを選べばいいじゃないか。」
「ん~衛とは飯食ったり話したりだったから・・・話しかける。くらいにしておくか、なんか違う気がするけれど。」
ブツブツいいながら理はマウスをクリックしている。こういう診断が好きなのは北川じゃないかと思う。前に生年月日の占いをプリントアウトして持ってきたくらいだし。
「お、これで最後だな。はいポチリ。」
画面を見ていた理の顔は複雑なものだった。
「なんだよ、不本意なのか?」
理の後ろにまわりドカリと腰を下ろす。
「ちょ!なんだよお前。来るなよ。」
「だって見えないじゃないか、俺にも見せろ。」
赤くなった耳を眺めながらこれをパクリとしたら・・・怒るだろうな。もう少し後にするか。
「なになに?
恋の服従度 46%
恋の依存度 85%
デレデレ度 81%
ツンデレ度 100%
やけに後半の数字が高いな。」
「うるさい!俺はそんなにデレデレしてないぞ!してないよな?まさかしてる?俺はしていない!」
「デレデレとツンデレを足したら200%に近い。」
「そんな計算やめろよ!もおおお!」
理はグラスのワインをごくごく飲み干してドボドボ注いでいる。デレデレはしていないけれど、恥ずかしがるくせに潔かったりするし。それはツンデレにつながるのか?
「続きがあるじゃないか。
あなたの恋の奴隷度はこんな感じ!
あなたの恋の奴隷度は18%で、【ほとんど奴隷体質ではない】ようです。
どちらかというと、あなたは自分が主導権を握りたいと思うタイプでしょう。
いくら好きな人だからといって、言いなりにはなりたくない、と考えるはず。むしろ相手のされるままになることよりも、相手を自分の好きなように動かしたいという欲求があるでしょう。
そのため、押しの強いタイプの人とつきあうと、おたがいに我が強すぎて、ぶつかりあってしまうことになりそう。
あなたの言うことを素直に聞いてしたがってくれる、やさしいタイプの相手を見つけることが、あなたにとって幸せな恋といえるでしょう。
しかし、相手に甘えて、だんだんと要求がエスカレートしていかないように注意を。
だってさ。」
「う~ん。まあ奴隷じゃなくてよかったよ。確かに衛は優しいと思うよ。文句も言わずに料理してくれるし。相手に甘えて要求がエスカレートか・・・これは気を付けたいな。」
「別に理に従ってやっているわけじゃないぞ。俺が好きでやっているというのが正しい。」
理が俺にもたれかかった。もう耳は赤くないが、あとで赤くしてやろう。
「俺見ててやるから衛もやってみろよ。」
「ドMの奴隷の結果だったらどうする?」
「どうもしないけど、それは絶対ありえないね。」
「じゃあ、やってみるか。」
設問に答えていくが確かに理のいう通り微妙な問いもある。一番近いものを選ぶしかないな。
「あ~そこ、俺と違う。俺は話を聞くを選んだ。」
「う~ん、少し悩んだ。親友が失恋しました、どうしますかって言われてもな。向こうが話を聞いてくれと言って来たら聞くけどリアクションがなかったら放置しておくかなと。だから「放っておく」を選んだ。」
「俺は「俺でよかったら聞くけど?」って言うかな。次は?」
「あなたが失恋したら?縁起でもないな。1、立ち直れない 2、一人で泣く 3、友達の家で泣く 4、一人カラオケ ・・・なんだこれ。そんなの「1」に決まってるじゃないか。理と別れたら俺は絶対立ち直れない。理は?」
「俺は・・・「2」をぽちった。」
「少しずつ違うものだな。早いところ結果にいってしまおう。」
そのあとの設問にすべて答えて結果を出してみる。
「どれどれ?
恋の服従度 67%
恋の依存度 8%
デレデレ度 72%
ツンデレ度 100% ・・・。」
「なにこれ~~。恋に服従しているくせに依存していないって意味わかんないし。なんだよ、衛だって足したら200%の域じゃないか。」
「依存度が低すぎるな・・・。俺はここ100%に近いと予想していたのに。」
「えっ?」
「どっぷりはまってるだろ理に。」
耳が真っ赤になった。
「恥ずかしい男だな!そういうことは言わないで心の中にしまっておけ!
そんなことはどうでもいい。肝心の奴隷度は?え~と。
あなたの恋の奴隷度はこんな感じ!
あなたの恋の奴隷度は18%で、【ほとんど奴隷体質ではない】ようです。
どちらかというと、あなたは自分が主導権を握りたいと思うタイプでしょう。
いくら好きな人だからといって、言いなりにはなりたくない、と考えるはず。むしろ相手のされるままになることよりも、相手を自分の好きなように動かしたいという欲求があるでしょう。
そのため、押しの強いタイプの人とつきあうと、おたがいに我が強すぎて、ぶつかりあってしまうことになりそう。
あなたの言うことを素直に聞いてしたがってくれる、やさしいタイプの相手を見つけることが、あなたにとって幸せな恋といえるでしょう。
しかし、相手に甘えて、だんだんと要求がエスカレートしていかないように注意を。
なんだ、同じじゃん。つまんないの~。」
本当に同じだった。
「奴隷度が低い、しかしデレ度は高いということか?相当矛盾しているな俺達。」
「衛は恋に依存していないって診断だからバランス悪いな。なんか悔しいな~俺のほうがお前のこと好きみたいじゃないか。なんだ、この数字の差は。」
腕を伸ばして理のグラスをとりワインを横取りした。テーブルに戻してからギュウと抱きしめる。
「そこは譲ってやるよ。俺のほうが断然理のことが好きだから。」
恥ずかしいことを言うなと暴れるかと思ったのに理は体の力を抜いて俺に身体を預けてきた。
「お互いの気持ちを計る機械なんてないし、見えなくていいと思うよ。衛のほうが好きがたくさんの日もあれば、俺の好きが強い日だってあるだろうから。
でもさ、そうやって毎日を過ごしていくうちに気が付くんだ。どっちがどっち、強い、弱いってことじゃないってね。
単純に相手が好きだってこと、それが当たり前だっていう俺たちは幸せってこと。
お互いデレデレ度が高いのはしょうがないってことだ。
今もこうしてデレデレしてるしね。」
「たしかに。」
「デレデレついでに告白しよう。」
理がモゾモゾ動いて俺と向かいあうように位置を変えた。
「俺はいま猛烈に衛とキスがしたい。」
やっぱりお前は潔いよ、最高の男だ。
「俺もそう思っていたところ。」
「ふふ、俺たち気が合うな。」
「似たもの奴隷度18%だから。」
近づいてくる理の瞳を見つめながら湧き上がってくる気持を唇に乗せる。
好きが沢山の日、強い日・・・好きが当たり前だという幸せか。
そんなことに気づかせてくれる相手にこの先出逢える気がしない。
理と離れることになったら、立ち直れないだろうな。
どこにもいくなよ。
行かせないけど。
そんな思いをこめて抱きしめる。
離さない・・・そう力を込めて。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
262 / 474