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august.2.2016 ハルの誕生日<朝>
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背中でハルがモゾっと動く。そろそろ起きるお知らせだね、これ。寝相のいいハルは寝返りをあまり打たない。といっても一晩中監視しているわけじゃないから、よくわからんのが正直なところ。向かい合って「おやすみ」をするのに、朝目が覚めるとこのポジションになっている。
俺が壁に向かって横向きに寝ていて、その背中にハルがくっついている・・・ということは寝返り打ちまくりなのは俺なのか?(どうでもいいか、そんなこと。)
眠りが浅くなるとモゾモゾするのがハル。ムギュウとしたくなるけど、俺は我慢をするのだ。無理やり起こされるより自然に目を覚ますほうがいいからね。
モゾ・・・すーすー・・・モゾモゾっていうのを背中に感じながら、朝が来たって思うのは悪くない。
早く起きればいいのにね、ハル。今日はお誕生日だぞ?
日付が変わった時間に俺たちは起きていたけれど、おめでとうは言わなかった。やっぱりさ、朝一番で今日が始まりますって時に言いたいよね。
日付が変わった時間は始まりというより今日が終わる時間だって俺は思うのですよ。
皆は何も言っていなかったけど、俺とハル以外の3人で絶対誕生日のプレゼントを用意しているはず。
土曜日といってお盆だし、オフィスは揃って夏休み中だ。ランチはいつもより静かだろうし、夜もそれほど忙しくない。中休みに何かを用意してハルにおめでとうを言っていつもより長く休んでも問題ないしね。俺だって賄いをお誕生日仕様にしますよ?ゴージャスでもなんでもないハンバーグなんだけどね。
ハルに聞いたら「フワフワで今まで食べたことのないソースがかかっているハンバーグ。」というリクエストが来た。何気にハードルを上げてきやがった。ふわふわはOKだけど「今ままで食べたことのないソース。」っていうのがね、ハルの食事履歴を把握していないのに、このお題かよって。
でもそこはクリアしたいよね、料理人としても、さらに恋人としてもさ。うわ・・・照れる。
んで、いちおうプランはあるんだけど、これソースですか?とか平気で言いそうなのよね、ハルがさ。
まあ、その時は「ソースだ!」って言い張ってやる。だって上にかかっているからソースなんだよ、ソース。
お、モゾっと具合が起きましたのモゾっとになった。ハルのお目覚めです。
でもね、ここでなかなか「おはよう。」って言わないハル。俺の背中にコテンとおでこをくっつけたりね、どこかをツツイたり。起きてるのかなって小さい声で「ミネさん?」って言ったりね、朝っぱらからイチイチかわいいわけよ、どう思いますか皆さん!まさにドキがムネムネですよ!
さて今日は何をするのかなって実は楽しみだったりするのです。浮かれてる?しょうがないよね~出来立てなんだから。出来立てのホッカホカよ。
ハルが背中にピトっとくっついた。右腕がモゾモゾしている気配、どうするのかな?その右腕。
ゆっくり、そろそろとハルの右腕が俺の体に回った。ウエストのあたりからお腹に進む右手。でも俺の我慢もここが限界。ギュウと右手と右手を繋いじゃう。
「あっ。」
あっ、だって!かわいいねえ~。
ハルの腕に力がこもって、どうやら引っこ抜きにかかっているらしい。そんなことさせませんよ、と俺はクルンと身体を反転させた。
起き抜けのちょっとボケっとしたハルと目が合う。
「や~もう、起きていたんですか。」
毎朝交わされる同じ言葉。毎回俺が目を覚ましていないって思うの、それどこに根拠があるのかなって思うけど、毎朝の楽しみはなくしたくないので言わない。
そして「おはよう」の前に夜に言わなかった言葉をハルに言う。
「ハル、お誕生日おめでとう。」
「ミネ・・・さん。」
「おめでとう第一号は俺でキマリ。一緒におやすみした俺だから得られる特権だよな。」
「てっきり・・・日付が変わるときに言ってくれるのかと。」
「おめでたい事はさ、1日の始まりに言う派なの。最初におめでとうを言ったら、その日はずっとおめでたい日になるような気がするんだよね。俺だけかもしれないけど。」
「ありがとうございます。僕も第一号がミネさんで嬉しいです。」
くううううう~~~。
俺はいつにも増して盛大にハルの頭をグシャグシャにしてやった。なんだこのメロメロマシーンみたいな物体は!
日増しにどんどんハルを好きになっているって自覚があって時々怖くなっちゃったりするけれど、でもやっぱりね傍で笑っているハルを見ているとツマラナイこと考えても仕方がないなって思えるんだ。
いいさ、メロメロ上等!とことんメロメロ男になってやろうじゃないの。
寝起き顔でぐっちゃぐちゃモフモフになった髪をのっけているハルが何だかとっても愛おしくなって、唇を重ねる。
そして俺の傍にいてくれるってことがとても幸せに思えてハルをギュウと抱きしめた。
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