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危機 3
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「どうした、日坂。顔が赤いぞ。」
靴を靴箱へ入れながら牧野が俺にそう言ってきた。
「え? あ、いや。なんでもない。」
俺は自分の靴箱の扉を開けて脱いだばかりの靴を入れた。
「そうか。熱があるんだったら、言えよ?」
心配してくれる牧野。
俺は嬉しさから顔がにやけそうになるのを堪えるので精一杯だった。
「なんだ。やっぱり気分でも悪いのか? 吐きそうな顔してるぞ。」
「はっ吐きそうって……」
俺、そんなに険しい顔になってたのかな。
少しだけショックを受けながらも教室に向かい始めた牧野の隣に急いでつく。
「今日の日坂は変だな。」
「どこが?」
淡々とそう述べる牧野に反発して問いかけてみると、こちらを向いてふっと笑われた。
「全部だよ。」
「なっ! 俺は変じゃねーよ。」
からかわれているのか、本気でそう言われているのかはわからなかった。だけれども、今こうして牧野と会話できていることがとても嬉しくて、こそばゆくて。自然と顔はにやけてしまう。
君とこんな風に話しながら教室に向かう日が来るだなんて、想像したこともなかったな。きっと、俺の前の席のやつに話したらまた驚くだろうな。
「それでさ、猫ってどんな猫だったんだ?」
穏やかな表情をして、君はそう言った。
「ん? んーと、三毛猫だよ。」
「三毛猫か。」
そう言うと、少し何か考え始める牧野。
「牧野?」
「いや、もしそれがオスの三毛猫だったらすごいなって思っただけだ。」
「え? オスがすごいの?」
「……猫、好きなんだよな?」
あれ?
俺は何かまずいことをいったかな?
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