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危機 7
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「あ、その、ごめん……牧野。俺……」
バクバクとなる心臓。
うるさいうるさいうるさい!
早く静かになれよ、俺の心臓!
「ごめん。一人舞い上がってた。」
力のない牧野の声。
「俺がなんでお前と友達になるって言ったか……知りたいか?」
窓から差す太陽の光が牧野を照らしていて凝視できない。
なんで、牧野が俺と友達になってくれたか?
知りたい。知りたいに決まっている。だけれども、今ここで聞いてはいけない気がした。
「日坂……俺……」
牧野が俺に何かを言う前に、クラスの奴らが教室に入ってきた。俺は急いで牧野の前の席から立ち上がり、自分の席へ行こうとする。
「日坂。」
「な、なに?」
「カバン。」
面白くないとでも言いたそうな表情の牧野が、今さっきまで俺が座っていた席に置いていたカバンを指差していた。
「ああああ、ごめん。カバン忘れてた! あはははは。」
笑いながらカバンを手にした俺は、その気まずさから急いで自分の席にカバンを置いて教室を出た。
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