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恋人…恋人…恋人っ?! 4
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授業と授業の間はいつも俺が牧野の机に行く。それが日常になっていたし、当たり前のことになっていた。なのに、今はそれができない。
「アイツ……」
朝、俺と牧野に声をかけてきたアイツが牧野の机にいるのだ。しかも二人して、楽しそうな顔をしている。
何なんだよアイツ。牧野も牧野だ。朝はあんなに無表情で興味なさげだったのに、今は少し笑ってるし。いや、確かに友達を作って欲しいって言ったし、友達になろうと近寄ってくる奴を無視すんなとは言った。……そう、言った。
結局、俺はその中に入らず、自分の席からずっと横目で牧野の方を見て10分間の休みが終わってしまったのだった。
いいや、次は昼休みだし。
どういう訳だろうか。何でコイツがいる?
「どうもー!日坂、今日の昼ごはん一緒に食うからよろしくな!」
テンションの高いそいつをちらりと見、牧野を引っ張って話声が聞こえないようにこそこそと話す。
「どういう訳だよ!」
苛立つ俺とは反対に、冷静な牧野。
「どうもこうも、この通りだ。さっきの時間に、今日一緒にご飯を食べたいと言われた。無視しようか迷ったが、日坂から朝怒られたばかりだしな。」
ああ、どうしてこうなるかな。
淡々と述べた牧野に、俺は朝の発言に後悔した。だが、俺も言った身ではある。そこで、今日は我慢してそいつと一緒にご飯を食べることにした。
「どうした? 日坂、元気無くね?」
ニッと、八重歯を見せつけるかのように笑うそいつ。未だにコイツの名前が思い出せない。
「元気だよ、俺は。」
「えー冷たいなー。初めて話してくれたときはもっとこう、優しかったじゃんかー」
そう言って、頭をガシガシとしてくるそいつ。俺は冷ややかに「そうか?」と返す。
三人並んで食堂へと歩く。その間も、そいつは俺に話しかけ続け、牧野はそれを横目でちらりと見ていた。
「日坂らしくねーな。」
ずっと無愛想にしたためか、頭をガシガシと乱暴に撫でながら言うそいつ。口を尖らせてそんなことをお前に言われても、罪悪感なんて生まれてこない。そればかりか、俺と牧野の二人だけの時間を邪魔されていいる気さえして、俺は苛立っていた。
「牧野、今日は何にすんの?」
食堂に着いて、漸く牧野に話しかける。牧野はぼそりと「定食B」といった。その時の表情が、少しだけ嬉しそうだったのを俺は見逃さなかった。
「へー定食B何だー和食だな。何か、イメージ通り。」突然、俺と牧野の中を割って入って続ける。「んで、日坂は何頼むの?」
ああ、うぜー。
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