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頭を掻きながら困った顔をする牧野。
「普通にって言われてもな。」
「もっとフランクに聞けばいいじゃんか。」
「フランクと言われてもな。」
「今までやってきたみたいに聞けばいいんだよ。」
「今までと言われてもな、俺はお前が初めてなんだ。」
「え?」
「だから、連絡先を聞くのはお前が初めてなんだよ。」
こいつは、今、恐ろしいことを言わなかったか?
連絡先を聞くのが俺が初めての人間だと、言っているんだよな? そうだよな?
「牧野、お前はどうやって生きてきたんだ……」
「いや、今まではずっと一人だったし、それで困ったこともなかったからな。」
あ り え ね ー!!!
でも、よくよく考えてみればそうだよな。
休み時間もずっと一人で本を読んでいたんだし……連絡をとる相手がいなかったんだろう。それで、なにも不便に感じなかったというわけか……
「何か、牧野が可哀想になってきた。」
「?」
「まあいいや、ほら、連絡先交換しよう。」
「どうやってすればいいんだ?」
「……。」
交換の仕方がわからないという牧野。気づけば、なぜか俺が携帯の使い方まで教えていた。
それから数分後。
「ありがとう、日坂。」
牧野は、自分のアドレス帳に入った俺の名前を見て嬉しそうに微笑んでいる。その姿を見て、まあこういうのも悪くないなと思う自分がいた。
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