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所謂、お部屋デート
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楽しいわけがない、けど。
そんなのは見てみないとわからない。
初芝のケツなら楽しいかもしれない。
「先生」
「ん?甘いの食うのか?俺のも頼むわ」
「……」
ソファーから立って呼び掛けると、布巾で皿を拭きながらそう言われた。
違う。ケツ見せろって言おうとしたんだけど。
自然な感じの初芝に心臓がグッとなって、思わず冷蔵庫を開けてスイーツ持ってソファーに戻った。何やってんだろ、俺。
「お、生クリーム大福ある。俺、コレ貰うわ」
「あぁ」
「俺とお前は友達じゃないんだから、返事の仕方気を付けろよ」
大福を手にして、また反対側の隅に座る初芝。
「…お前、いつまでいんの」
「今日は泊まる」
「は?…はぁぁっ?おま、何言って……あ」
持っていた大福を握りつぶした初芝は、それに気付いて眉を寄せた。
求肥の部分を入っていたケースに置き、生クリームでベトベトの手を悪態を吐きながら舐め始めた。エロい。
「ちっ、たくよー…ん、お前が、変なこと言うから……あーくそ、ベトベトだ。勿体ないけど、洗ってくるか」
ペロペロと自分の手を舐めていた初芝が、立ち上がってキッチンで手を洗うのを、俺はただ呆然と眺めていた。
だって変なんだ。
俺の息子が、少し反応してる。たった、アレだけの事で。
自分の身体の反応に首を傾げていると、初芝が戻ってきた。
「泊めないからな。少ししたら帰れ」
「予定でもあんの?」
「DVD見んだよ。早く帰れ」
それは予定じゃない。
「先生、俺も一緒に見るからセットして。あ、見るときは隣りに座って」
「は?帰れよ」
「写真」
「…何なんだよ、お前」
さあ?俺だってわかんない。
ただ、あんたともっと一緒に居たいって、そう思っただけ。
文句垂れながらもレンタルショップの袋からDVDを取り出し、デッキ入れる初芝。おい、何枚借りてんだよ。
まさか休日ほとんどDVD見る気なのか?
ケースを一枚手にして見てみると、海外ドラマのシーズン4の一巻めだった。どうやら、このシーズンを全て借りてきたらしい。
楽しいのか?見た事がないから、わからない。4からじゃ、見てもわけがわからないかも。
そう思っていたのだけど、意外と見られた。
FBIが凶悪犯罪者を捕まえるという内容だった。何話めかに、小児性愛者の話があり、驚く事に被害に遭うのは少年が多かった。
初芝は、こんなのが楽しいのか。
「はー、やっと捕まったか。お前なんか、ムショから出てくんな」
隣りに座ってポテチの袋を抱えて食べながら、テレビに向かってブツブツ言う初芝の横顔をじっと見詰める。
洋画を見てると結構、ゲイのジョーク多い気がするんだけど、初芝は気にならないのだろうか。
俺は気になる。ジョークの度に、初芝のケツが気になってしょうがない。
「……あのな、坂下。見ないなら帰れよ」
「見てる」
「…そうかよ」
ディスクを変えるのに立ち上がった初芝のケツを見ていたら、そんな事を言われた。
半分くらいはちゃんと見てる。ただDVDなんかより、初芝が気になるんだ。
「あ、そろそろ電気点けるか」
室内を見回して坂下が言う。
薄暗くなってきた室内には、テレビの灯りだけしかない。ケースをテーブルに置き、スイッチを押しに行く初芝を目で追い掛ける。
結局、初芝は寝間着姿のまま一日過ごした。
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