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清々しい朝
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天気の良い日曜日の朝が、こんなに清々しいと感じるのは生まれて初めてだった。
鳥の囀りを聞き、カーテンを開け朝陽を浴び、部屋を暖めるためにエアコンのスイッチを押す。こんもりと盛り上がったベッドを一瞥し、クローゼットを漁って良い感じのネクタイを数本拝借。
そして良く眠っているのを確認してから、その手をネクタイで縛り上げた。
俯せにして腹の下にリビングから持ってきたクッションを挟む。すると自然とケツを突き出すポーズになるわけだ。
ケツの肉を揉みほぐすように堪能し、割開いて穴をまじまじと見詰める。
朝陽を浴びてよく見える、初芝のケツの穴。
「卑猥だな」
満足な気分で激写。
「……さ、坂下…お前…何して……」
「あぁ、まだ寝てて構わないんで」
「ね、寝ェれェるゥかァァァ!!」
穴を指先で撫でていたら、蹴り飛ばされた。
……足も、縛っておけば良かった。
「坂下、こう言うことは良くない。わかるな?」
「まぁ…。でも先生、逆らえる立場じゃないだろ」
「全然わかってないよな、お前」
初芝はもの凄い速さでパンツを履き、服を着込んでから、俺にもパンツと服をぶん投げてきた。顔面でキャッチしたそれを、のろのろと身に付けながら初芝が喚くのを聞く。
学校では見た事もない怒り方を見れて、新鮮で楽しい。
「坂下、お前…これ犯罪だからな」
「捕まるのは、先生」
「………あのな、お前にとっては遊びかもしれないけど、俺にとっては大きな問題なんだよ…」
真剣な声を出す初芝の顔が、切なそうに歪められたのを見て、何とも言えない気持ちになった。
何故そんな顔をするのかわからない。
でも。そんな顔は、初芝に似合わない。
「先生、いつもみたいに睨んで」
「…は?…俺は別に、睨んでなんか…」
「睨んでるだろ。ずいぶんと前からずっと」
腕を組んで首を傾げる初芝に近寄る。
数秒悩む顔をしたかと思ったら、突然ハッと目を見開き、ボン!と音が鳴りそうな勢いで赤面した。
潤んだ瞳が、一瞬俺を捉えて直ぐに空を彷徨う。
「……ぁ…、み、見てただけだ。睨んではいない」
真っ赤になってそんな事を言うなんて、狙ってんの?
「何で見てた?」
「…お前と園田は、いつもうるさいから」
「ホントに?それだけ?先生さ、今自分がどんな顔してるか、自覚ある?」
「か、顔?」
焦った様子で手を顔に当てる仕草まで、あざとく見えてきた。
初芝の腰に腕を回し、身体を密着させると、ビクリと震える初芝。
「坂下、いい加減にし」
「先生、もしかして俺の事好きなの?」
「……は…?や、違…違うから。坂下、離れろ」
そんな顔じゃ、否定にならないって。
鼻面をくっつけ、逃げ惑う視線を追い掛ける。邪魔な手を掴んで、その指をねっとりと舐め上げた。
「さか、した…っ」
「やっと、こっち見た」
「……っ…」
いつだか拾ったあの手紙は、初芝が書いたものなのかもしれない。有り得ないと思っていたけど、本人に聞いて確認を取ったわけじゃない。
あの手紙はもう手元にないから、字を書かせて見比べて確認する事も出来ない。
でも、どう見ても初芝の反応は、俺を好きだと言って寄ってきた奴らに似ている。頬を染めて、潤んだ瞳をする。
ただ女達と違うのは、甘い目を向けてくるのではなく、睨み付けてくるところ。
本人は見てただけと言うけど、喧嘩売られてるとか嫌われてると思うくらいの鋭さだった。
「先生、学校の机の引き出しに入ってた、あの変なレターセットで俺に手紙書いた?」
「え……」
「坂下 美鶴様。好きだ」
「!!!」
「その顔は、やっぱり」
ブワッと茹であがりそうな程、真っ赤に染まった顔で、初芝はオロオロとし始めブワッと滝の様な涙を流し始めた。
驚いてこっちが、オロオロする番だ。
「先生?何で、泣くの」
ペタン床にへたり込み、グスグスと鼻を鳴らす初芝。小さい子どもみたいだ。
「おま、知ってて……こんな、こと…ひっ、したのかよっ」
「先生?」
「こ、な、うっ、ぅ…するくら、い…いなら…もう、構う、なよ」
何言ってるか聞き取れない。
でも、最後のは聞き取れた。
構うな、だって。泣くほど俺の事好きなくせに、構うなって可笑しいだろ。
嗚咽を漏らす初芝を抱き締めて、背中を擦る。
「ばか、放せ!おま、えなんかっ、きらいだっきらい」
「ん、先生は俺の事が好きで好きでしょうがないと」
「そ、なこと、言ってないぃ…うう」
髪をかき混ぜるように撫で、米神にキスを一つ。
あー、なにこれ。何で、こんなに心臓がバクバク言うんだろ。
てか、初芝ってこんなに可愛かったっけ。
「先生、先生……俺も先生のこと好き」
「うぇ?」
「て、言ったら嬉しい?」
「…ぉ…お前なんか、サツに突きだしてやるんむぅっ」
わんわん泣き出した初芝の唇を塞ぎ、ちょっと塩辛い口内を存分に嘗め回した。
泣きじゃくる姿にムラッときて、身体を弄ったら荷物ごと部屋から追い出された。
なにこれ、変だろ。
先生、俺の事好きなのに、何で。
暫く部屋の前で粘ったけれど、ドアが開くことはなかった。
何が駄目だったんだろう。
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