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番外編:心と距離7
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夢を見たのかと思った。それか幻覚。
だって初芝が俺の心配して、優しく面倒みてくれるなんて、現実であるわけない。
あの恥ずかしがり屋が、水を口移しで飲ますだなんて、絶対やってくれるはずない。
「ん…」
生温い液体が、流し込まれる。夢や妄想にしては、リアルな温度。
それを飲み下し、離れようとする柔らかい唇をペロリと舐めた。
触れ合った感触もリアルだし、汗のニオイもリアル。やばいわ。俺の脳味噌、相当やばいわ。
暑さで溶けたのかもしれない。
「…た、けるさん…」
「……」
「健さん…たける、さん……たけ」
「う、うるさい!」
「ぶっ……………い、たい」
どうせ現実じゃないのなら、いっぱい名前を呼んでおこうと思ったら、顔面を硬い物で殴られた。痛い。いや、本当に…何で殴られたのか、結構痛い。
若干涙目になりながらも、初芝を見上げると、その手には水が半分以上入ったペットボトル。……まさかそれで殴ったの?
初芝が暴力的と言うことは、これはもしかして現実?
「……せんせー…もしかして、本物?」
「ニセモンなんかいねーよ、馬鹿野郎。寝惚けてんのか、くそったれ」
「いつも以上に…口が悪い…」
「うるさい!心配かけやがって!ふざけんなっ、俺が…っ、どんな、気持ちで…っ……くそっ………無事で、良かった…」
怒ったのかと思ったら、泣き出す初芝。ああ、もう。本当に可愛い人だ。
その涙を拭いたくて、鉛でもぶら下がっているのかと思うほど重い腕を、初芝の頬に伸ばす。けれど届かず落ちかけた手を、初芝が握ってくれた。
俺の手に頬を寄せる初芝が、堪らなく愛しい。
「先生…ごめん」
「……何が…」
「心配、掛けて…かな。…でも…明日まで待てなかった。会いたくて…どうにかなりそうだったから」
ガキっぽいと思われただろうか。
実際、俺はまだまだガキだし、大塚の言うように年の差は埋めようがない。俺は何年経っても、初芝の年齢に追い付くことは出来ないのだ。
ならいっそ、ガキはガキらしく、馬鹿みたいに全力で初芝を愛そうじゃないか。
それで呆れられたって、飽きられたって、好きなんだからしょうがない。だいたい馬鹿にならない恋愛なんてあるわけ?
「ねえ先生、あんたが好きだよ」
頬を流れる涙を親指で拭う。
でも、次から次へと溢れてくる涙は、止まりそうになかった。
「先生は?俺のこと好き?」
こんなに心配してくれたんだから、嫌いではないはず。
なぁ、そうだろ?
期待のこもった視線を送ると、小さな声で「馬鹿」と言われた。その直ぐ後に、手のひらに口付けられる。その感触がくすぐったい。
「好きに、決まってる…っ」
「ね…水、もっと飲ませて」
「…ん」
コクリと頷いた初芝は、水の代わりに氷を咥えて口付けてきた。エロイ。
互いの舌と氷が絡み合い、どんどん小さくなる。溶けた液体を氷ごと呑み込むと、邪魔物は無くなったとばかりに、初芝の口内を貪った。
「っ…は、さか…ん、こお、りが」
「集中」
「ンッ」
冷房が効いて、部屋はかなり涼しい。お陰でスッキリしてきた頭が、今のこの状況をこう判断したんだ。
据え膳。
男なら普通美味しくいただくモノだ。それに、水よりも美味しいものが食べたいし飲みたい。
「…か、したっ!これ以上は……」
「起っちゃう?」
「!!」
「真っ赤。可愛い、先生」
真っ赤な顔で見下ろしてくる坂下の耳朶を指先でなぞる。たったそれだけで、肩がピクリと反応した。
「おいで、先生」
甘く囁き、腕を引く。けれど初芝は、下唇を噛んで首を横に振った。
え、ちょっと。待って待って。初芝、空気読んで。今は、悪くない雰囲気だと思うの。
俺の据え膳!と少し焦り、初芝の腕を掴む手に力が入る。
「先生…」
「……れが…や…から」
「ん?」
危うく暴走しかかる下心を全力で押さえ込み、焦ってないよとアピールするように、掴んだ手から力を抜いて初芝の肌を撫でた。滑らか。スベスベ。舐め回したい…。
初芝の肌に夢中で、何と言ったか聞き取れず首を傾げると、熟したリンゴのように真っ赤な顔で、ボソッと呟いた。
「…俺が、やるから……お前は、そのままでいろ」
初芝が、やる?ヤる?
え?俺を掘るの?それはちょっと……。
…いや、待て。落ち着け。違う。そう言うことじゃない。きっと、こう言うこと。
騎乗位とか……そう、きっと…俺に乗ってあんあんしてくれるに違いない。
「下手でも、文句言うなよ…」
「言わないって。ほら、先生…服脱がないの?」
恥ずかしそうにシャツのボタンを外す初芝を見てるだけで、期待と息子がムクムクと膨らむ。
開けただけでシャツを脱ぐつもりはないらしく、ズボンに手を掛ける初芝。いやらしい感じで脱いでくれるのかとワクワクしてガン見するが、初芝は固まったまま動かなくなった。
やはり手伝いが必要ということか。
よし来た、任せろ。喜んでひん剥いてやる。
腹筋に力を入れて勢い良く起き上がったが、途端に眩暈に襲われソファーに戻ってしまった。
「あ~…」
「…大丈夫か?」
「…ん、ヘーキだから、早くイイコトしよ…?」
「そう、だな…。…こう言うのは、チンタラやってるから余計恥ずかしいわけだよな。よし、男らしく一気に脱ぐぞ」
「え…」
一人勝手に納得して、スポーンとそれはもう潔く初芝は衣服を脱ぎ捨てた。
あれ…さっきまでの恥じらいは何処に…。
ちょっとだけションボリした息子は、初芝の裸体で直ぐに復活した。単純な奴め。
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