アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
僕は人間です。 【少年視点】
-
「お疲れ様でした」
僕はそう言って部室から出た。
誠凛高校1年 黒子テツヤ。それが僕の名前です。
「黒子、マジバ行くか?」
火神くんが誘ってきた。
「ありがとうございます。ですが、僕は真っ直ぐ帰ろうと思います」
「そうか。また明日な」
「はい」
火神くんとも別れて、一人で帰っていると
ふと、桜の木に目が留まった。
「綺麗な桜ですね……」
まるで雪のように真っ白な桜に見惚れていると、桜の花びらが吹雪のように舞った。
「わ……っ」
咄嗟に目を閉じてしまうと、辺りが寒くなってきた。
春のはずなのに、おかしいですよね。そう思って目を開けると、辺りは雪山で。
「……え?」
僕は、こんな所に来た覚えはなかった。
さっきまでいた、アスファルトの道もなければ現代日本の欠片もない。
「……どこかの小説みたいにタイムスリップでもしたんでしょうか」
案外冷静にそう言ってみても、何の返事もない。
「ここ、どこでしょうか」
「……誰かいるのって、珍しいな」
低めの声が聞こえて、振り向いた。僕はこの声を知っていると思ったから。
だって……
「……え、宮地、さん?」
他校の……秀徳高校の先輩がいたから。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 112