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俺が見たものは 【秀徳領主視点】
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「ちょ、あの人達、桐皇領域滅茶苦茶にしてないよね!?」
俺は桐皇領域に向かいながら言った。
「分からないわ!もう、会ったら喧嘩しかしないんだから!!」
「桃井ちゃんの連絡で、ちょっとマズイって!」
「急がなきゃダメじゃない!ちょっと、和成ちゃん!現場!」
「もう見てる!」
俺の目は特殊で、この世界全てを見渡せる。
ただし、同じ目を持っているのはもう二人いた。一人は鬼の頭領、赤司征十郎。
もう一人は、誠凛領域の悪魔……伊月俊。
「うわっ、ちょマズイって!!」
「何!?どうなってるの!?」
洛山領域から、桐皇領域まではちょっと遠い。桐皇領域、ボロボロじゃないといいけど……。
「補佐達が止めてるけど二人とも言う事聞かねえ!!このままじゃ桐皇領域が全滅だ!」
「何ですって!?」
その時、俺は確かに見た。
山にいるあの人間じゃなくて、ちゃんと角が生えてて、髪の長い鬼。
「テッちゃん……!?」
「え?」
テッちゃんが、青峰と若松サンの間に入って……二人をハリセンでぶっ叩いた。
わざわざ力を使って攻撃しないとこがテッちゃんらしい。
「着いたわ!下りるわよ」
「「おっけー!」」
俺達が着地した時、テッちゃんがこっちを向いた。
「遅かったですね、高尾くん」
「テッちゃん……?」
「はい」
ニコリと笑うテッちゃんは、間違いなくテッちゃんだった。
「さて、アホ峰くん。君はさっさと桐皇集落に戻って下さい。ほら、君を探して鬼達が騒いでいますよ」
テッちゃんが指を差した方には、鬼達が大騒ぎしていた。
「若松さん、うちのアホ峰がご迷惑をおかけしました」
「いや、……どうも?」
「さて僕も帰りましょうか。本当は出て来る気なんてなかったんですけどね。
ちょっとは今吉さんの言葉も聞いてください、青峰くん」
「……テツ、お前、どこに」
「さようなら、青峰くん」
テッちゃんは青峰の言葉を遮って消えた。
あの山に、テッちゃんによく似た人間が来たから?
だから現れたの?テッちゃん。分かんないよ。
「……とりあえず、この辺の修復が最優先のようね」
実渕サンの言葉に、ハッとする。そうだ、今はそれどころじゃない。
「堪忍な、悪魔に貸しなんて嫌やけど」
「アタシ達も嫌よ。さっさと帰ってちょうだい」
「そうさせてもらうわ。青峰、行くで」
「ああ……」
青峰がボーッとしつつ、今吉と共に集落へ帰っていった。
まあ、分かるけどさ。テッちゃん、久しぶりに見たし。
「(元気そうで、よかったな。テッちゃん)」
色々聞きたい事もあったけど
今はそれだけで、いいや。
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