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あまりにも似ていた 【頭領視点】
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本当は、誠凛集落に行くつもりだった。
だけど……
「大変です、長!」
「何なのだよ……」
秀徳集落の鬼がやってきた。
「用なら大坪さんに……」
「補佐はもう皆を抑えに行きました!忌子が人間を連れて秀徳集落に!」
「「何……?」」
僕達は目を見合わせた。間違いなく、人間というのはテツヤに似た気配の持ち主だ。
それに、忌子が下りてきた。それ自体が問題だった。
「真太郎、向かうよ」
「ああ」
「留守は俺に任せろ」
後ろにいた、もう一人の僕……
「ああ。任せるよ」
兄の"赤司征十郎"は笑った。
「いってらっしゃい。黒子に似ているその子によろしく」
最後の言葉は聞かなかった事にして、秀徳集落に向かった。
思った通り、秀徳集落は大騒ぎだった。
「待て!待てって!」
大坪さんの声が聞こえる。でも、大坪さんも止めに入った鬼達も抑えきれていない。
「何の騒ぎなのだよ」
真太郎がため息を吐きながら騒ぎの中心へと歩いていた。
僕も数歩後ろを着いて行った。
「長!……と、頭領まで!」
今日の予定が狂ってしまった。そう思いながら前を見ると、真太郎が戸惑っていた。
僕もその方向を見てみると……
空色の髪、角はないし髪は短いけれど……これは
「……テツヤ?」
まるで、あの日裏切った誠凛集落の長――――……
黒子テツヤそのものだった。
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