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コイツは違う 【忌子視点】
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「テツヤ、」
頭領が黒子の方に駆け寄ってきた。
「戻ってきたんだね?今まで辛かっただろう?何故裏切ったのか聞かせて」
「僕は、君を知りません」
黒子ははっきりと言った。
「スミマセン。僕は、"赤司征十郎"くんは知っているけど、鬼の頭領の"赤司征十郎"くんは知りません」
「テツ、ヤ……?」
コイツの言い分はもっともだ。コイツは誠凛集落の長じゃない。
「頭領」
副頭領……俺の両親を、始末したいけ好かない鬼が出て来た。
「似ているが、ソイツは黒子じゃないのだよ」
「彼の言う通りです」
頭領は少し取り乱して、立ち尽くしていた。
そしてその間に副頭領が目の前まで来ていた。
「何故、山を下りたのだよ。忌子」
コイツに、忌子と言われると物凄く腹が立った。
忌子と言われたくねえ。
「知っていますか?清志くん」
アイツの、声がした。
「君はね」
「彼は」
「「忌子なんかじゃありません」」
アイツと、同じことを言った。
そういう所が似ているから、頭領に勘違いされるんだよ。
「君が誰だろうと構いませんし気にしませんが、
あちらでの君は決して彼にあまりにも失礼な言葉を言った事はありませんでした」
黒子の知る俺と同じ名前のヤツは……
随分幸せだったらしい。
「大体、君は元から言葉が足りないんですよ。何ですか、こちらの君も足りなさすぎるんですか。
君達本当に似てますよね」
「……貴様の世界の話をされても不快だ、人間」
「知りませんよ。僕だって普段デレデレしてた相手に冷たすぎて戸惑ってますよ
そして君の言い方に物凄い不快感を覚えています」
ちょっと待て。何だコイツ。すごい爆弾発言したぞ轢いていいか?
「オイ…… オイ」
俺は黒子に声をかけた。
「何ですか?」
「そんなにデレてたのか、副頭領が、俺に」
「……まあ……。とてもデレていて誰だこれと思った事はあります」
チラッと副頭領を見てみた。……駄目だ、固まっている。
そりゃそうだよな、忌子と嫌ってた相手にデレデレしてたんだ。そりゃ戸惑う。
「……」
だからって周りまで俺と副頭領を交互に見るな、埋めんぞ。
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