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気になる気配 【トップ視点】
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「……?」
異変を感じたのは少し前だった。
何だか懐かしい気配がして、俺は書類から顔を上げた。
「修造?」
「ん?」
「何かあった?」
辰也の問いかけに、ハッキリと答えを持たない俺は気のせいだと思い込んだ。
「何でもねーよ」
だが。
玲央が、高尾が俺に対して微妙に変な態度をとるようになった。
おかしい。だからしばらく俺は悪魔の力を使って、高尾達の様子を見ていた。
そして、秀徳領域……鬼側の集落で騒ぎとあの気配を感じた。
「辰也、玲央に連絡を。仕事は玲央に頼む」
「修造?どこに行くんだい?」
「散歩。飽きた」
「早く帰って来なよ?」
「分かってる」
辰也にそう答えて、俺は気配をたどって秀徳集落に向かった。
何がある……?
玲央達は何故、俺に隠す?
訳が分からない。悪魔だと言うのに、こういう時は困る。
「あーっ、ちょっトップ!」
あ、高尾に見つかった。
「何してんですか!ちょ、仕事!」
相変わらず笑いながらだが、この場から遠ざけようとしているのが分かる。
「何を隠してる、高尾」
「……」
高尾の顔が一瞬真顔になって、またおどけた表情に戻った。
「なーに言ってんですか。俺が隠す訳ないっしょ」
「嘘吐くな」
「……って言っても、トップは騙されてくれませんよねー」
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