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何が悪い? 【副頭領視点】
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「頭領」
俺は赤司を呼んだ。
「何だい、真太郎」
「不本意だが、悪魔の言うことに一理ある。今のお前はどうかしているのだよ」
「お前までそんな事を」
そして、目の前の黒髪……同じ領域の領主である悪魔を見る。
「だが、俺の集落で人間を惑わされるのは腹が立つのだよ。しかも黒子に似た人間をな」
「ふーん。俺には関係ないなー」
悪魔は俺の言う事を聞かずに、忌子を見た。
「ご苦労さん。後は俺達がこの子を保護するから……
お前は山に戻っていーよ」
誰もが嫌がるから、忌子なのだ。当然、俺達も忌子にはいてほしくない。
「そうだな、後は俺達に任せるのだよ」
忌子は、無表情に戻って帰ろうとした。が。
「……離せ」
人間が、忌子の腕を掴んでいた。
「どこに行くんですか」
「離せ」
「貴方は忌子じゃない」
目は悪魔に隠されているのに。気配を感じられないくせに。力がないくせに。
人間の言葉は、心に刺さった。
忌子、と言う俺達が悪いかのように。
「貴方を忌子と呼ぶ彼らより、僕を帰そうと忌子と呼ばれるのも構わずに山を降りてくれた貴方といたい」
「————……」
何故だ。黒子ではないのに。
黒子ではないのに、悲しくなる。否定されたかのように。
お前はいつもそうなのだよ。一番心配している俺達より、悪魔の火神を取った。
俺達の何が悪いのだよ。教えてくれ、黒子……
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