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響き渡る声は 【秀徳領主視点】
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「仕方ないなー……」
俺は、しっかりと掴まれた忌子の腕を見てため息をついた。
忌子なんて、領域に入れたくない。
「ふーん……そういうことか」
忘れてた。
「虹村、先輩……?」
「黒子、久しぶりだな!」
ダメだ、トップも見分けついてねえ……
「トップ、この子テッちゃんじゃないから。人間だから」
「は?」
……待てよ。何であんたがそんな顔するんだよ
赤司と同じ顔をよ。
「コイツは黒子だぞ。なぁ?」
「……」
マズイ。非常にマズイ。
トップまで見分けがついてねえとか……
赤司の暗示の後に、トップの暗示とか最悪だ。廃人になるかもしれねぇ
その時だった。
「黒子‼︎」
秀徳領域全体に響き渡りそうな、テッちゃんを呼ぶ声がした。
「——火神くん‼︎」
腕の中にいる人間は、声がする方に手を伸ばした
「黒子!」「黒子くん、そっちにいるのね⁉︎」
次に聞こえたのは誠凛の……テッちゃんの補佐達の声。
「キャプテン!カントク!」
人間の目を塞いだ手が、濡れていた。
初めて、コイツが泣いた。
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