アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
コイツの言葉が刺さる 【忌子視点】
-
気絶した黒子。俺の腕を掴んでいる手から力が抜けた。
「黒子……!?」
さっきまで会話していたと思ったのに。
「テッちゃん?」
ペシペシと高尾が黒子の頬を叩いたが、起きる様子はない。
「……鬼」
高尾が、険しい顔になった。
そりゃそうだ。赤司なら、長なら……
人間なんて簡単に眠らせて、魂を抜き取れるのだから。
「僕じゃない。ゲスな勘繰りはやめてもらおうか」
「どうだかな……。この人間はうちで預かるから」
黒子を抱き上げて、高尾は踵を返した。
「……人間の望みだから。来いよ、忌子」
一瞬、言われ慣れたはずの忌子という言葉に痛みを感じた。
俺は、望まれてはいけないのか。
(宮地)
誰かの声がした。
どこかで聞いたのに、思い出せない。
(お前はいい子だね。大丈夫。もう、側にお前を望む子がいるだろう?)
無性に、泣きたくなった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
29 / 112