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僕が目を覚ます 【少年視点】
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僕が目を覚ますと、目の前に僕がいた。
「初めまして、未来の僕」
「もしかして……、」
彼は、目の前の僕は。
髪の長い、角が生えた彼は。
「僕が、誠凛集落の長です」
やっぱり。
確かに似ている。僕に。
「未来の僕、というと……君は」
「君の前世にあたります」
前世。つまり、死んだということだろうか。
「君に、この先は進ませません。これは過去の僕が片付けるべきですから」
「宮地さんは」
僕は咄嗟に、宮地さんについて聞いていた。
「宮地さんは、大丈夫でしょうか?」
前世の僕はキョトンとして、笑った。
「大丈夫です。今は仲が悪いですが、ちゃんと愛してくれる人が居ますから」
だから、お休みなさい。
優しい声と共に、僕は眠りについた。
「ただの人間に戻った僕は、何も知らなくていいんですよ」
彼は、悲しげな声で呟いた。
「君は、知らなくていい。僕のことも、この先のことも」
呼びかけたくても、眠った僕に出来ることはなかった。
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