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その頃、陽泉では 【陽泉領主視点】
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Hey、初めまして。
やっと俺の視点だね。
陽泉領域では大騒ぎさ。
今まで陽泉に拠点を置いていたのに、いきなり秀徳に変えるとか修造が言い出したからね。
「何考えてるアル、あのバカトップ」
「劉、俺達はトップに従うだけだよ。まあ、高尾くんだけじゃ大変だろうから俺も行くけど」
「バカがもう一人いたアル……」
馬鹿とは言われたくないなぁ……。
修造じゃないんだし。
「……」
前方から鬼の気配がする。おかしいな、領主の館なのに。
「久しぶりー、氷室」
殺気とそれに似合わないゆったりとした話し方。
「久しぶりだね、紫原。何の用かな、今日は会う予定なんてなかったはずなんだけど」
「俺も出来れば会いたくなかったしー」
ここまでは、いつも通りのはずだった。
次の一言さえなければ。
「悪魔側に黒ちんがいるのを知るまではねー」
「……どういう、意味だい?」
紫原は笑った。とぼけるな、と言いたげに。
「黒ちんが、秀徳領域にいる。あんたら悪魔が知らない訳無いでしょ」
聞いていない。
俺は、何も聞いていない。
修造が秀徳へ向かうのも、妙に気を遣う2トップ達も、これで理解出来た。
「……知らない」
思い出すのは、悪魔の中で下の方だった時に優しかった義弟。
「でも、ありがとう。これでやる事が出来たよ」
義弟の行方を、彼に聞かなくては。
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