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譲らない、譲れない 【2トップ視点】
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タツヤちゃんは思った通り、テッちゃんに掴みかかった。
止めさせようとしたけれど、彼自身が望まない。
「鬼のくせに……、鬼のくせに大我を誑かした!!」
「ボクは人間でしたよ。今の今まで」
「人間……?」
テッちゃんの顔が変わった。
「貴方が来なくて良かったですね。ボクはあの日を一生忘れませんよ」
テッちゃんは無表情が多くて分かりにくいのだけれど……
どうしてか、とても辛そうな顔をしていた。
「テッちゃん……?」
「ボクは、忘れません」
「裏切りを後悔しているの……?」
そう聞いたら、テッちゃんは首を振った。
「いいえ。後悔なんてしません」
そこは、譲らないのね……。テッちゃんらしいわ。
「氷室さんには悪いですが、生憎ボクは裏切りを後悔した事はありません。
その結果が、誠凛領域の全滅でも」
皆が息を呑んだ。
全滅……!?一人くらい、残っているのだと思っていた。
鬼も悪魔も一番少ないけれど、精鋭だった者が多い。一人一人が強いのが、誠凛だったのに……!
「ぜ……んめつ……って……」
忌子が……、いいえ
清志ちゃんが絞り出すのがやっとのような声を出した。
「全滅ってどういうことだよ!?水戸部さんは、小金井さんは、皆は……!!」
「……清志くん、誠凛にはもう……
鬼も悪魔も、誰一人残っていません」
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