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コイツの言葉は 【忌子視点】
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「いない、って……」
俺には信じられない。もう、誰もいない。
俺に優しかった人はもういない。
「あの日、ボク達は裏切り者として君達に追われ……
たった十数人を逃がすためだけに、追っ手によって大半が散っていきました。
勿論、相手はあの頭領とトップですから、ボク達も無傷で逃げるのは不可能でした」
長の言葉に、俺はただただ衝撃を受けていた。
それを、間近で見ていた長は……どう思ったのだろうか。
「大我は…… 大我はどうなった……!?」
氷室の声に、焦りが混じる。
「それは……」
「黒子」
火神の声が聞こえた。
「……火神くん」
「思い出しちまったのか」
声は烏から聞こえた。鬼は烏を使役する。
いつから、悪魔との連絡に烏を使っていたのだろう。
「……彼、はまだ知りませんよ。ボクが出てきただけです」
「そうか……。タツヤ、そこにいるんだろ?」
火神は氷室に呼びかけた。
「いるよ。久しぶりだね、大我」
「ああ。……なあ、タツヤ。そんなにあの日のことが知りたいのか?」
「ダメかい?お前は俺に何も言わずに裏切った。聞きたいと思うのは当然だろう?」
「聞いても気分悪ィだけだぞ」
「火神くん、もう、いいんですよ」
長は言った。
「君に何もかも背負わせるわけにはいかないでしょう?」
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