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その頃ボクは 【誠凛の長視点】
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「テツヤ……」
赤司くんが、ボクの元に来る。
数年間、ボクは赤司くんによって
頭領だけしか入れない、特別な部屋に入れられていた。
「……ボクを、誠凛へ帰してください」
「テツヤが僕達を裏切らないと言うのなら、いつでも帰してあげるよ」
赤司くんの暗示に負けるものかと何度も抗う。
ここで屈する訳にはいかない。
「裏切るつもりはありませんよ。ただ、悪魔と共に暮らしたいだけです」
「それが裏切りなんだよ、テツヤ。悪魔に唆されているんだ」
その日もボクが誠凛へ帰される事はなかった。
疲れて休んでいると、赤司くんが来た。
お兄さんの方だ。
「黒子、大丈夫かい?」
「……頭領の、力は……やっぱり強いですね……」
「自慢の弟だからね。でも、気付いただろう?」
「……はい」
赤司くんの……、頭領の力が弱くなっている。
「はい、手紙」
「ありがとうございます」
火神くんからの手紙だ。これのおかげで、ボクは正気を保っている。
「……黒子」
「はい?」
「俺達に構わず、裏切っても構わないよ」
赤司くんの言葉に思わず「は?」と返した。
「裏切っていい。長達の、お前に対する執着は異常だな。お前は間違っていない」
分からない。赤司くんが、ボクには分からなかった。
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