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目の前なのに届かない 【桐皇の長視点】
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赤司はテツに手を差し延べた。
「戻っておいで。お前を誑かす者はもういない」
俺や緑間も、もう動ける。
「テツ、戻ってこい」
「……」
今は惑わされて辛いだろうが、しばらくすればまた今まで通り……
そう思った時だった。
「はな、みや……さん……」
テツは、裏切り者に聞いた。
「貴方は、どうやって人間になったのですか……?」
「ああ?……転生だ。人間の女の腹に、魂を宿らせた」
「そうすれば、もう、火神くんも
凛くんも小金井くんもリコさんも順平くんも木吉さんも皆傷付かない……」
テツが何か言った。俺には聞こえねえが、赤司は聞こえたらしい。
「テツヤ……!」
「さようなら、赤司くん」
泣きながら、テツは笑った。手の中の欠片を裏切り者に渡して。
「させるか!!」
赤司が怒鳴った。俺は嫌な予感がして、テツの髪を掴んだ。
「テツ!!」
「……あお、みねくん……」
俺達鬼の妖力の源の一つ、長い髪を
テツはバッサリと切った。
「キミと今までいれて、楽しかった。さようなら」
テツが、魂になった。
「……ッ、撤収だ!行くぞ」
人間は去り、俺達は呆然とした。
何があったのか、誰も分かりたくなかった。
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