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動き出した鬼達 【頭領視点】
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「!」
あれから数日経った。
テツヤがよりによって悪魔に連れて行かれて数日だ。
ふと、懐かしい気配が強くなった。
人間じゃない。テツヤだ。
テツヤが帰って来た。
「誰か……黛!」
「はいはい」
補佐の黛が出てきた。テツヤの代わりに補佐にしたが、やはりテツヤとは違う。
「すぐに各集落の長を集めろ、緊急に集会を行う」
「了解」
二、三時間で全員が集まった。それぞれの補佐も連れて。
「やあ、久しぶりだね」
「何の用だよ赤司」
「俺だって暇じゃないんスよ?」
僕は、涼太や大輝の言葉を無視して言った。
「既に気付いた者もいるだろうが、
テツヤが帰ってきた」
三人は明らかに動揺し、一人はため息をついた。
「頭領、まだ言っているのか。あれは黒子じゃ……」
「いいや、テツヤだ」
「あー……。ミドちんは気付かないのかー
赤ちんの言っている事は本当だよー」
敦の顔が強ばる。この世界を、鬼達を守る役目の敦が唯一守れなかった鬼。
僕達が大切に大切にしてきたテツヤ。
「黒子っちが……?本当に……?」
涼太が信じられないと、夢ではないかという顔をしている。
鬼の中で最も狂暴な鬼。完全にキレたら集落一つくらい壊滅に追い込める。
そんな涼太が最も愛し、尊敬し、大事にした相手。
「そこで頭領命令だ。テツヤを見つけたら保護しろ。今度こそ、悪魔なんかに渡すな」
『了解』
誰も反対しなかった。
出来る筈がない。悪魔のせいでテツヤは僕達を裏切り、転生した。
悪魔が憎い。僕達が大切にしてきた、唯一僕達を愛してくれたテツヤを唆した。
「忌子はどうするのだよ。黒子ならば、忌子を見捨てまい」
「……場合によっては連れて来い」
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