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覚悟の先に 【忌子視点】
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翌朝、俺は長と荻原と一緒に黄瀬の元に向かった。
長が、洛山に行けるように説得するためだ。
入ろうとしたら、スゲー音がした。
怒鳴り声と何か割れた音だ。
「黄瀬くん。入りますよ?」
長はスタスタと入った。いや、ちょっとは周りの惨状に驚けよ……。
「また暴れましたね……。誰が片付けると思ってるんですか」
「黒子っち〜〜〜〜」
黄瀬が長に抱きつこうとした。蹴られた、ざまぁみろ
「何です」
「頭領が今すぐ黒子っちを連れて洛山に来いって言うんスよ!まだ誰にも言ってないってのに」
俺達は目を見開いた。来るべき時が、来た。
高尾とか知らねえ。連絡してる場合じゃねえし。
「紫原くんに気付かれましたね……」
「頭領だって目を持ってんだろ」
目の事を言うと、長は首を振った。
妙に追い詰められたような顔をしていた。
「とにかく、洛山へ行きましょう。頭領からの呼び出しです、断ったらキミは裏切り者ですよ?」
黄瀬は少し考えて笑った。
「黒子っちの言うことなら仕方ないッスね。荻原サン、洛山に行くんで」
「分かってるよ」
俺は手を見た。この手で、長を守る。誰かが長を狙ってんだ、今まで俺は長に、誠凛の皆に守られてた。
こういう時は、俺がしっかりしねえと……!!
長が烏を呼んだ。
「頭領に今から向かいます、と伝えてください」
烏は頷いて飛び去った。
「黄瀬くん、ボクと約束して下さい。洛山で何があっても暴れない、と」
黄瀬はキョトンとして、それから少し不満そうな顔をした。
「お見通し、ッスねえ。黒子っちには。
了解ッス、世話役サン」
「もうキミの世話役じゃありませんけどね」
そして俺達は走り出した。洛山集落に向かって
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