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読み間違えた結果 【影武者視点】
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いきなりだった。あと数人だったのに、結界が解かれた。
「何が……!」
状況を把握しようと目を使った。思えば異様だった。
6人はギリギリ感知出来た。なのに、何故冬の山の祓い屋は全く感知出来なかったのか。
長年、生きた俺の答えは 召喚術だった。
おそらく、入って来たのは6人のみ。どこかに待機させた一族を冬の山に入って召喚したんだ。
召喚術は、大量の悪魔や鬼を狩る時の常套手段。
まさか人間を召喚するとは思わなかったけどね。
だから、結界で閉じ込めて召喚させないようにしてから召喚主を探そうとしたんだけどね。
多分それが一族の長のはずだから。
「頭領!」
宮地の声がした。驚いていると、緑間と高尾まで現れた。秀徳の者達だ。
「どういう事だ、征十郎。教えてくれ!」
俺が言うと、征十郎が八咫烏越しに答えた。
トップや悪魔の事など最早気にしていられなかった。
「敦が倒れた。桐皇が仕留め損なった祓い屋が遠距離の攻撃を仕掛けている。よって、続行不可能とし、結界を解いて秀徳を援軍として突入させた」
読み間違えた……!紫原が倒れるなんて、考えていなかった!
「征十郎、逃げろ!!優勢とはいえ、一族の長を逃がした!」
結界が解かれたなら、仕掛けてくるはずだ。
「何で僕が」
「相手が狙うなら征十郎に決まってる!」
鬼の血や、悪魔の血を吸った式神が次々に現れた。
血が使われる度、式神は吸った血の種族に強くなる。そうなれば普通の者では倒せない。
「征ちゃん!」
赤色が見えた。俺を知っていた悪魔の頬に赤い一線が入る。
「み、ぶち……」
「大丈夫よ、征ちゃん」
実渕が、怪我をした。
周りから悲鳴が聞こえる。鬼や悪魔の悲鳴だ。
「やられたわね」
目の前に残る祓い屋は、3人。感知出来た祓い屋は4人。
「……っ」
優勢だったはずの形勢が、分からなくなってしまった。
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