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序章
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昔々、物語の悪役である悪魔と鬼が存在した頃。
悪役同士である悪魔と鬼は大層仲が悪かった。
鬼曰く、
「人を困らせたい訳じゃないが、人が僕達を困らせるんじゃないか。まったく人というのは勝手だ……
……その人に付け込んで何をしている、悪魔。お前達を僕達は許す気はない」
悪魔曰く、
「はぁ?ふざけるなよ鬼ども。お前らはただ無差別に人を襲っているだけだろうが。言い訳すんじゃねえよ
人の中にも弱い奴はいる。ソイツらが困っている時に手を差し伸べて何が悪い」
……そのような感じで両者譲らず、一つの領域で鬼と悪魔の二つの領域に分かれてしまった。
鬼も悪魔も長い年月を経ると、歴史の表舞台からは姿を消し
やがて人々も鬼や悪魔がいた事を忘れてしまった。
さて、その長い年月の中で珍しく鬼と悪魔が愛し合ってしまった。
この二人……両方の領域から逃げ、春の来ない雪の山の中でひっそりと子供を産んだ。
ところが、探していたそれぞれの領域の長達が二人を見付け、裏切り者として始末してしまった後
この子供の存在に気が付いた。
「……この子供はあの男の子供か。半分は悪魔の血を引く」
「あっれー?引き取らないの?鬼の副頭領サン。俺達は引き取らないからさー。
鬼の血を引いてるなんて嫌だし」
「ふざけるな。こちらとしても貴様ら悪魔の血を引く子供を引き取りたくないのだよ」
こんな調子で、子供は一人 誰もいなくなった雪山に置いて行かれた。
これはそんな子供以外誰もいなくなった雪山に入り込んだ少年と共に
鬼と悪魔の為に動いた子供の話である――――……
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