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コイツは聞いた 【忌子視点】
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俺は、信じられなかった。何で、裏切る?
「おい、黒子」
その時、聞きなれた声がした。鬼と、敵対しているはずの悪魔の声。
「火神くん」
幸せそうに火神……悪魔の領域の、誠凛領域領主を呼んだ。
俺は信じられなかった。この人達は、俺の両親と同じことをやっている。
「いきなりで悪いな、清志。……一緒に来るか?」
俺は、首を振った。信じられない。どうして、"誠凛"は手を組んだのだろう。
他の海常と秀徳辺りは対立が酷いと言うのに。
「……無理に連れて行くことはできません。君がそう言うのなら、諦めましょう」
「ちょっと黒子くん!急いで頂戴!」
「お前もだ、火神!」
「分かりました!」
「分かってる!です!」
そこからの記憶はあまりない。彼らがどうなったのか、気になっているけれど知らない。
「あのな、」
俺は黒子に、言う事にした。
「俺はここから出られねーんだよ」
「どうして?」
「この山は、鬼も誰も入ったら出られねえ。入るのは簡単だけど、森が入った奴らを迷わせる。
そうして出られなくなるんだよ。……ここまで無事にたどり着けるのは、長クラスかそれ以上の鬼達か領主クラスかそれ以上の悪魔達だけだ」
「……頭が痛いです。つまり、何人くらいいるんですか?迷わない人」
「極僅かだな。そんな上の連中なんざ、忌子の俺が厄介だからめったに来ねえよ」
あ、と思い出す。そういや……
「ある領域の奴なら、迷わずに来れたな」
「どこなんです?それ」
よく、一人だった俺を世話して。最後まで気にして。
「……"誠凛"の奴らだ」
「誠凛……僕の高校と同じ名前なんですね」
「だな。鬼の方の長はお前によく似ていたし」
「僕ですか?」
「ああ」
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