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僕は知った 【少年視点】
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僕は、どうやら"誠凛集落の鬼の長"と似ているらしい。
だから、宮地さんは僕を鬼だと言ったんですね。
でもここでちょっとだけ不思議に思った。
「この辺りって、どうなっているんですか?」
「地理的な意味でか」
「はい」
宮地さんは少し考えて言った。
「俺はここから出た事がねーからはっきりとは分からねえが、主に6つの領域と複数の山で構成されているらしい。
ここは、その一つでどこの領域ともつながっているらしい」
「……その領域の一つが、"誠凛"……?」
宮地さんは頷いた。
「それぞれの領域で、二つに分かれている。片方が鬼の"集落"、もう片方が悪魔の"領域"だ。
鬼の方は長とその補佐が、悪魔の方は領主とその補佐が治めている」
えーと、つまり総理大臣みたいな人が鬼にも悪魔にもいるという事ですね。
誠凛の鬼が、僕に似ていた、と。
「6つの領域は、洛山、秀徳、陽泉、海常、桐皇、誠凛と名前がついてる。
鬼の頭領は洛山に、悪魔のトップは陽泉にいると聞いている」
…………ちょっと待ってください。何でこうも僕達の高校と名前が似ているんですか。
嫌な予感がするんですが。
「……あの、鬼の頭領と、悪魔のトップの名前は……」
「ああ……鬼の頭領は赤司征十郎、悪魔のトップは虹村修造というそうだ。会った事はねえが」
何でその二人がそんなポジションなんですか。ヤメテクダサイ、僕の何かが減ります。
しかも先輩と赤司くんって……。あの人達仲悪かったでしょうか、覚えてないんですが。
「……どうした?」
僕がうわあああああ、と頭の中で取り乱している間、固まっていたようで宮地さんが心配そうに僕の顔を覗き込んだ。
「あ、いえ……」
まさかのラスボスです。びっくりしただけです。
と言うか、虹村先輩 陽泉にいるんですね。びっくりです。
「今日は疲れたんじゃねーか?寝ろ。明日にはここを出て帰してやる」
そうだ、僕は帰らなきゃ……。火神くんや、先輩達と、部活をするんでした。
「どうせこの山に人間を帰せるような場所はないしな。仕方ねえけど、山を下りるか」
「……出られない、んじゃなかったんですか?」
僕はちょっと気になって聞いてみた。
「誠凛の奴らが、山の下り方を教えてくれたんだよ。余計な心配するんじゃねえ、轢くぞ」
……本当、宮地さんと同じですね。
僕は笑いながら眠りについた。
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