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コイツのそばにいれるのは 【忌子視点】
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黒子が倒れてから、随分時間が過ぎた。
まだ起きる様子はない。
「忌子。テッちゃん……人間は起きた?」
与えられた部屋の扉越しに高尾の声が聞こえた。
「まだ、起きねえ」
どういう訳だか、この部屋で俺と黒子だけになってから誰も入れなくなった。
結界は鬼の十八番だが、コイツは……黒子は鬼ではない。
「誰がこーんな結界張ったのやら」
コンコン、と扉をノックする音が聞こえた。
高尾すら入れない、結界。
「……う」
目が覚めたらしい。顔を覗き込んだが……
そこにいたのは黒子ではなかった。
姿も声も黒子だが、何かが違う。
「結界は上手くいったかな。うん、これで俺と黒子の約束は守ったよ」
「誰だ……てめえ……」
「鬼か!?結界解きやがれ!」
「嫌だよ。宮地を忌子と呼ぶ君達から守ってくれ、と黒子から頼まれたからね」
「その人間がか!?」
「まさか。あの黒子が、誰にも言わずに裏切るわけないだろう?」
何が起きているのか分からねえ。
誰だ、コイツは。
「俺は、赤司征十郎」
「「は!?」」
俺も高尾も信じられなかった。鬼の頭領は、力こそ強いが、無闇に悪魔の領域に手出しはしない。
それに……俺を、忌子を嫌っている。
「宮地、お前に後を託す。この結界を解くも解かないもお前次第だ
ああ、疲れた。征十郎にバレないようにしないとな……」
黒子はそう言ってまた眠った。
「……忌子、開けろ!」
高尾の声がする。鬼は偽りは口にしない。
俺だけが、この結界をどうこうする事が出来る……
混乱した俺は、高尾の声を無視して黒子を見ていた。
お前は、一体何なんだ……。何故、俺を選んだ……
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