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補佐の動揺 【洛山補佐視点】
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洛山集落の朝は早い。特に最近は。
定期報告会議が毎日あるからだ。緊急らしい。
長達の会議だから、俺達補佐は大抵会議室の外で待ってる。会議の内容は、長達に聞くしかない。暇だ。
「えらい頻繁に会議があるなあ」
今吉サンが言った。
「今日は荻原がいないけどな」
大坪サンも言った。……確かに。珍しいな……。
「妙、ですね」
俺が言うと、補佐全員が頷いた。
会議室の扉が開いた。早いな、もう終わりか?
そう思ったら、副頭領だけ出て来た。
「入るのだよ、頭領が呼んでる」
顔を見合わせながら入ると、頭領が嬉しそうな顔をした。
「君達にも、今日は出席してほしくてね。特別に同席を許すよ」
「?」
何があるのか、さっぱりだ。訳分からねえ。
しかも、嬉しそうなのは頭領だけじゃない。副頭領や他の長もだ。
不思議に思いながら、それぞれか席につく。
と、足音が聞こえてきた。
「来たね」
足音はこの会議室の前で止まった。
扉が開けられて、真っ先に金髪が目に入る。
海常の長、黄瀬涼太だ。荻原サンもいる。
「頭領、すんませーん。遅刻したッス」
「涼太、僕が気付かなかったらサボる気だったな?」
そう言いながらも、頭領の目線は黄瀬の後ろにいっていた。
「……久しぶりだね」
「ええ」
黄瀬でも荻原サンでもない声が聞こえた。
前に出て来た鬼は、空色の髪に水色の瞳を持っていた。隣に忌子も連れていた。
「お久しぶりです、頭領。副頭領、紫原くん」
「テツ、俺に挨拶は無しか?」
「アホ峰くんには桐皇で暴れていた時に会いましたから」
「誰がアホ峰だ!!」
俺達補佐は目を見開いて、ただ固まっていた。何故裏切り者が。
どうして戻った、黒子ーーーー……!!
ただ一人だけ、ニヤリと笑っていた鬼に俺達は気付かなかった。
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