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征十郎くんを探せ!【誠凛の長視点】
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黄瀬くんがボクを庇った。
「黒子っちが、まさか頭領に隠居しろなんて言うとは思わなかったッスけど!!
黒子っちが理由もなく、下りろなんて言うはずないッスから!!」
「邪魔せんでくれ、黄瀬」
「嫌だね」
黄瀬くんは、ボクと約束した。だから、暴れはしなかった。
「ッ、峰ちん!」
呆然と見ていた紫原くんが我に返って、青峰くんに指示を出した。
青峰くんも今吉さんを止めに入る。
「清志くん、ボクに着いて来てください!強行突破です、今吉さんはボクを始末するまで止まらないはず。
ボクはこんな所で消える訳にはいかないんです!」
今吉さんが、ボクを始末したがる理由は分かっている。花宮さんの存在を知った時に気付いた。
でも、ボクは。赤司くんを助けるまでは消える訳にはいかない。
「ちょ、どこに……!」
「いいから!」
黄瀬くん、頼みましたよ!と言って、会議室から走り出た。
目指すのは、征十郎くんの元に。
「赤司くん!赤司くん、どこです!?」
叫びながら数十年ぶりの屋敷を駆け回る。
征十郎くんに、彼に会わなくては。
屋敷の隅、誰も通らない部屋の方から烏が飛んできた。
間違いない。征十郎くんの烏だ。屋敷にいた頃、見ていたから。
「黒子」
烏が征十郎くんの声でボクを呼んだ。
「こっちだ、烏に案内させる。だから、騒がないでくれ。俺の存在が気付かれてしまう。
……おや、宮地。君が来るとは思わなかったな。まあ、黒子と共においで」
ボクは清志くんの手をしっかり握って、歩き出した。
こんな隅で、しかも誰もいない所にキミは居たんですね。
廊下を複雑に曲がって、やっと薄暗い和室に辿り着いた。
赤い照明が妖しく、艶やかに光る。薄紫の御簾の向こうに彼はいた。
「久しぶり、黒子。宮地、会うのは初めてかな。秀徳領域で、お前に初めて声をかけた。会えるのを楽しみにしていたよ」
御簾が上がって、頭領に瓜二つの姿が現れた。
「俺は、赤司征十郎。頭領の双子の兄で、征十郎の影武者だ」
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