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喜怒哀楽〈怒〉side Y
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俺はとうとう、イカれてしまったのだろうか...?
いや...違う!これは男のロマンだ!
『彼シャツは男のロマン!』
これは後輩の石橋の言葉。
あの時は、そんなもんかなって思ったけど...
石橋...本当だな!確かに...着せてみたい...
〈怒〉
「どうして...?」
「どうしてって...言われても...」
「映画館...これじゃ...入れないの?」
冬真は自分の両腕を広げ、着ている白いシャツと、はいている細身のブラックジーンズを一瞥した。
いやいや...映画館にドレスコードなんてないから...
「もちろん、その服装でも構わないんだけど...あの...あのさ...何て言うか...別の格好も見てみたいかなぁ...なんて思ったりして...」
「でも...俺...こんな感じしか持ってないし...」
確かに、多少形は違うものの、クローゼットには白いシャツしか並んでいない。
「これじゃ...ダメ?」
冬真が不安そうに俺を見た。
「ダメじゃないけど......こっ...これなんて...どぉ?」
冬真は白を好んで着るようだから、これなら着てくれるかもしれないと、俺は自分のアイボリーのVネックのロングTシャツを広げて見せた。
「それ...葉祐の...」
「うっ…うん...」
「サイズ...違うでしょ...?」
「大丈夫!大丈夫!」
「アイボリー...?白とあんまり変わらないよね...」
「う...うん...」
冬真はしばらく黙ってから...やっと口を開いた...
「葉祐......俺って...一緒に歩くの...恥ずかしい...?」
「えっ?」
「一緒に歩くの恥ずかしいセンスだから...そんなこと言うんでしょ...?」
「そっ...そんなんじゃないよ!」
「じゃあ...どうしてそんなこと言うの?ハッキリ言ってくれた方が...まだ良いよ......」
冬真はとうとう俯いてしまった。
そんなつもりじゃないのに...
「ごめん!冬真!」
俺は土下座をして、事の詳細を全部話した。冬真は屈んで俺の話を聞いていた。
「そう言うワケでして...本当にごめん!」
顔を上げると、冬真は口を真一文字にして、少し頬を膨らませていた。その表情はちょっぴり幼くて...怒っているんだろうけど、めちゃめちゃ可愛かった。
スゲー可愛い...
そう思ったら、顔が緩んだのか
「葉祐!」
冬真の声がピシャリと飛んできた。
「はっ、はい!すみません。」
「貸して。」
「へっ?」
「葉祐のシャツ。着替えて来るから貸して。」
「良いの?」
「着て欲しいんでしょ?」
「うん...」
「最初からちゃんと言えば良かったのに...」
「ごめん...」
「男のロマンかぁ...俺も同じ男だけど...よく分からないなぁ...」
そう呟いて、リビングを出て行った。
着替えて戻ってきた冬真は、何とも言えない色気と可愛さを解き放ち、直視出来ないほどだった。
「感じた...?男のロマン...」
冬真の言葉に壊れたおもちゃの様に、首を縦に振り続けた。そんな俺を見て、冬真はクスクス笑った。
その表情がまた可愛くて...
俺は心の中で叫ぶ。
石橋!俺もお前の意見に賛成だ!
萌え袖...最高♪
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