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手紙を興味津々で見つめている麗。
「麗さん、お手紙気に入ったんですか?」
「...ん」
柚木の方を見ようともしない麗に柚木は苦笑する。
「麗さん、相当気に入ってますね...字も読めないのに」
「だな...麗、おいで」
手紙を大事そうに抱える麗を柚木から受け取る。
「わざわざすまない」
「いえ。それじゃあ俺は戻りますね」
「ああ、麗、挨拶しろ」
「ぅ...ばいばい、ユズ...」
「はい、また会いに来ますね」
柚木が出て行ってから、2人は再びソファに戻る。
「なぁ、その手紙の内容分かってんのか?」
「んん...なぁに?」
麗は未だに手に持っている手紙を差し出し、首を傾げる。
「お前が幸せだと思ったこと3つ、教えて欲しい、だと」
「しあわせ...」
「んー、お前には難しいかもな」
「...ぼく、うさぎの...ぬいぐるみ、しあわせ...」
「あー、気に入ってるもんな」
「んと、ん...しーがぎゅぅ、してくれるの...も、しあわせ...」
指折り数えながらゆっくりと麗が自分の幸せを言葉にしていく。
「ん...しーの...うさぎさん、いっぱい...しあわせ...ぼくね、しーにひろって、もらったの...いちばんしあわせ...」
「ふーん?」
「ぼく...いきてて、うれしいの...」
その言葉に胸が詰まる。
それはこっちの台詞だよ、馬鹿。
にこりと綺麗に笑う麗に獅琉の頬も緩む。
「......俺も、お前が生まれてきてくれて、元気に生きててくれて嬉しいよ、麗」
腕の中にすっぽりと収まる暖かい麗をぎゅっと抱きしめる。
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