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博一の恋
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一目惚れだった。
長いまつげ、ぷるぷるの唇、透き通る様な瞳。
それは、どこぞの女より綺麗で...
その感情を"好き"というのだと今なら思える。
だからふっ..腐男子?風香くんに手伝って貰おうとしたんだが...。
「やっぱりさ!博一は総受けになる方がいいと思うんだぜ!」
「そっ、そうか....?ありがとう?」
1人で息を荒くする友達?に訳も分からずお礼を言う。
俺は小野 博一(おの ひろかず)って言うんだ。
まだ息を荒くしているお友達を冷たい目で見る。
「お前はいっつも意味不明なことを言ってるよな。総受けってことは...俺ボコボコにされんの?」
頭にはてなマークを浮かべながら言うと風香は「は?なめてんの?アホなの?」とムカつく顔で言ってくる。
そろそろ殴りたくなってくるからこの話題はやめよう。
「...そういえば、そろそろ歓迎会だな」
「...ああ!きたぜ、俺の時代。王道で頼む」
また訳のわからないことを言い出すと、なぜか俺に向かって拝み始める。
殴りたくなる衝動を抑えて、風香の頬を思いっきりつねる。
「いひゃい!いひゃいよ、ひりょかず!」
思ったよりも伸びた頬に楽しくなりながらも涙目になった風香が流石にかわいそうで離してやる。
風香は痛そうに頬を撫でると馴れ馴れしく肩を組んでくる。
....もう一度やられたいのか?こいつ。
「頑張るんだぜ!博一!」
「お前もな!」
バシッと尻を軽く叩くとビクッと風香の体が跳ねる。
「ひぅんっ...?!や、やめるんだぜ...?」
という意味不明な声とリアクションをする。
俺が口を開けていると顔を赤くしながら「いやな!これはな!条件反射ってやつだよ!」と必死に俺を説得してくる。
「いや..まぁ、いいんじゃないか?」
俺の言葉を聞いて少し黙ると、もじもじと風香がしだした。
何かと思って見ていると「耳貸せ」と言われ、少し屈む。
風香は辺りを見渡すと俺の耳へと唇と寄せる。
「実はさ...匠と...そのっ...ヤっちゃって..」
「ああ、そんなことか」
なにこいつ今更あらたまってんだよ。
「え?そっか、なら良いけど...」
俺が不思議そうな顔をしているからか、風香が最初は戸惑っていたのに、真顔で頷く。
「あ、そういえば、会長様からメールが来たんだよ」
「なに?...まさか、変なのじゃないよな?」
風香は少し背伸びをして俺のスマホを覗き込むとすぐにスマホの画面を手で隠す。
みるみる風香の顔は赤くなっていき、ぷるぷると震えだす。
拳を握りしめて、生徒会室へと早歩きで行く。
「匠ぃ....!あいつ!ちょ、先に教室行ってて!」
「お?うん」
曖昧に返事をし、周りに見られないよう、もう一度スマホを見直す。
そこには疲れ果てて寝てしまった風香と真顔でピースをする匠さんが写っていた。
あわだだしい奴だな...まぁ、自分のイキ顔ねぇ...。
実をいえば、すげーエロい。
そのテクを俺にも教えてくれよ、会長様。
少しして風香の逆の方向へと歩きだし、窓から外の景色を見る。
「ん?!あっ、あれは..!」
窓から身を乗り出すようにして外を見る。
翔太さん!朝から拝めるなんて..嬉しくてやべぇ!
別に俺はホモではないが翔太さんは例外。
俺の憧れの人で...好きな人。
「ふぉっ!」
ボーッと見惚れていると翔太さんは俺に気づいたのか微笑んでくれた。
あー...今のきたわ...。死ねる。
さすがフェロモンが出まくりというか、俺の息子さんはもう元気っていうか...。
「屋上に頭冷やしに行こ...」
今歩いていた方向とは逆の方に鞄で息子さんを隠しながら歩いていった。
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