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久しぶり
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「久しぶり...だね、博一」
「っ?!翔太さん?!」
瞬間的に顔が引きつり、後ずさりをする。
だが、ここは廊下。すぐに壁にぶつかる。
「...なんでそう逃げようとするの?」
翔太さんは平然な顔して聞いてくる。
はぁ?!意味分かんねぇ...。元はお前のせいでっ...!
強い口調で出そうな言葉を必死に抑える。
「っー、なんですか...今更」
なるべる表情に出さないように睨む
「あははっ...随分と嫌われちゃったねぇ..」
笑っていた顔が少し悲しみで歪む
えっ...どういう事だよ...。
だけど、すぐいつもの翔太さんに戻る
「聞いたよぉ?たっちゃんと付き合ってるんだってね。」
「そうですよ、だからもう俺は...わっ?!」
どんっ
両側を見ると翔太さんの手が壁について逃げれない。
こういう時の対処法を見たことがあるぞ..。
確か、股間を蹴るといいらしいな...。
だけど、翔太さんの真剣な目を見ると動けなくなり、その目に吸い込まれる感覚になる。
「な...に..」
初めての体験だからかそれとも翔太さんだからだろうか、顔が熱くなるのを感じ、恥ずかしくなり視線を下に落とす。
「俺にさ、チャンスくれない?」
「は?」
「今度、花火大会があるだろ?それに一緒に行って欲しいんだ。もう女子には言ってある。」
翔太さんは優しくフッと笑う
それを合図と言わんばかりに俺は顔をあげる
「それって、俺に拒否権無いじゃないですか..!」
「うん...それでもし、なんも思わなかったら俺は博一に今後一切近づかない。だけど、もし...」
キーンコーンカーンコーン...
翔太さんが何か言おうとしたとき、授業のチャイムがなる。
「ちっ..まぁいいや。今週の日曜日お前の家まで迎えに行くから!」
ビシッと指をさすと早足で自分の教室まで戻る翔太さん
俺は緊張が解けたのか、その場にヘタリと座り込んでしまった。
「博一!授業の時間始まってるぞ!早く教室戻れ!」
「はっはいっ!すみませんっ!」
翔太さんが戻った道を見つめ、さっきの事を思い出す
「花火大会...か。」
自然に微笑みが落ちるのを感じた。
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