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リフレインするお前の顔
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授業が終わり、部活へ向かう。
俺はバスケットボール部なので、体育館へと向かう。波人は図書部なので、全く別の方向だ。別の方向なら視界に入ってくることはないし、存在を気にすることもないだろうと思った。だが、頭から波人の事は全然離れない。何度も波人の声や傷ついた顔がリフレインする。
「利來、決めろ!!」
ゲーム中にボールが回ってくる。俺はバスケが得意だ。この学校にだってバスケの推薦で入学したし、1年生の時でもゲームに出してくれた。
―ガゴッ―
…なのに。あともう少しといったところで外した。その後何ゲームかしたが、オフェンスもディフェンスも上手くいかない。挙句の果てにドリブルをしていて転んだ。
「利來、どうした?今日は調子悪いな。もう少しで1年生が入部してくるんだ、気を抜くなよ。」
転んだ時にぶつけた膝を見ながら、今日はもう帰ってもいいぞ?と部長から言われてしまった。
「でも、俺練習したいんで。」
帰るのは癪に障る。
「良いから。帰って早く寝ろ。膝は…大丈夫そうだな。お前に期待してんだ。偶には休めよ。何も言わねーから。」
ポンと背中を押された。
こういう気の使われ方が一番困る。これ以上話を伸ばすのも悪いし、面倒なので
「…はい。」
と返事をしてコートから出た。
「ったく、何なんだよ…!」
部室へ着替えに戻り、自分のロッカーにもたれかかる。波人の事を考えないようにすればする程考えてしまう。
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