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番外編2:ホワイトデー 2
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ヘアセットはルイにしてもらい、歯磨きやらなんやらと自分の身支度を終え、ルイの準備が整うのを自分の部屋で待つ。
「楽しみだな〜」
ルイとの久し振りの恋人の時間、そしてプライベートで一緒に出かけられるという事も楽しみなのだが、一番楽しみなのは・・・
「カイト様・・・・・・カイト、お待たせ」
「はーい!」
ノックと共に扉の向こう側から聞こえたルイの声にテンションが上がる。
早足で扉に近づき、開けるとそこにいるのは黒燕尾ではない服を着て、髪型もピシッと固めたものではなく無造作に流した髪型をしている歳相応な格好のルイだった。
これが俺の一番楽しみだったこと。
表情も柔らかいものだからイケメン度が増す。
「〜〜〜〜っ!!カッコイイ!!」
「ありがとう。カイトは可愛いですね」
「ひゃーっ!好き!」
「ん。俺も好き。ほら行くよ」
サラッと俺の頬を撫でてから腰を抱き、俺を部屋から連れ出すと玄関に向かう。
いつもは主人を主張するように俺の少し後ろを歩くルイが今日は横に並び俺が自分のだと主張するように歩いてくれる。
その事が嬉しくて、恥ずかしくて顔に熱が集まる。
途中で父さんと母さんに挨拶をし玄関を出た。
そして今日は車は使わずルイとゆっくり歩きながら街に出る。
「カイトは何したいの?」
「ん〜実は何かしたいっていうのは特になくて・・・ルイと一緒にゆっくりしたかっただけなんだよね」
「はー・・・可愛いな。じゃあ特にしたい事はないんだな?」
「え、うん。ご、ごめん」
「いや、いいんです。じゃあ、俺の買い物手伝ってくれない?」
「ルイの買い物?」
「はい。主人に頼むことではないですが・・・」
「何言ってんだ!!」
一度立ち止まりバチンとルイの頬を両手で挟む。
珍しく驚いた顔をしたルイと見つめ合う。
してやったりだが、コイツはいつも忘れている事がある。
「ルイは俺の執事だけど、その前に1人の男で俺の恋人なの!!たまには俺だって恋人のお願いとか我儘、聞いてあげたいんだよ!」
「あの、カイト・・・」
「俺はすんげぇ久し振りにお前のお願い聞けてスッゲー嬉しいの!!いい加減わかれ馬鹿っ!!」
わかった?!と覗き込むと唇にキスが。
「っ?!っ?!」
「ははっ!隙あり」
急な事で頭が追いつかない。
人が少ないとはいえ外だ。だから、こんな所でとか、突然辞めろだとかそんな事を言いたいのだが声が出ない。
「カイト、ありがとう」
戸惑いの中顔を上げると本当に嬉しそうな顔をしたカッコイイ恋人がお礼を告げてきた。
その顔を見たら全てがどうでもよくなって、あぁもうこいつが幸せならそれでいいかと思ってしまって・・・
「大好き!」
いつもは怒られるような大きな声で叫ぶようにして言葉にする。
そして大好きな腕に自分の腕を絡み付ける。
すると優しく微笑み歩き出すとともにルイからも紡がれる大好きな響き。
「うん、俺も大好き」
まだ少し街までは距離がある。
この愛おしい人と何を話し、どんな感情を共有しようかな。
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