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舞踏会③
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カツカツとヒールを鳴らしながらバルコニーへと向かう。
つーかずっと見られてる気がする・・・・・・。
気のせい・・・・・・・・・だよな・・・・・・・・・。
途中で俺の好きな野菜ジュース・・・ではなく姉さんの好きなアセロラジュースを片手に取り、バルコニーのベンチに座る。
「ハァーー・・・疲れたァー。」
まだ1時間半もある。
「心臓に悪いな、これ。」
ボソボソと独り言を言い、アセロラジュースを一気に飲む。
「ハァーー・・・。」
カラになったグラスを持ち、またため息。
「ハル様。グラスお下げ致します。」
「ええ。ありが・・・・・・って、え?!」
目の前にいたのはまたまたルイでびっくりしてしまった。
本当にコイツどっから湧いて出て来るんだよ!!!
「驚かせてしまったようですみません。」
「いえ、大丈夫よ。ありがとう。」
ルイにグラスを渡す。
その時に少し指と指が触れてドキッとしてしまった。
そう言えば今日は朝、ルイにアタックしただけでそれ以来触っていない。
こんなに話さず、こんなに触れなかったのは初めてかもしれない・・・・・・。
今、ルイは目の前にいるが態度がいつもと違うから別人に見える。
ルイだってまさかハルではなくカイトだとは思っていないだろう。
「・・・あの、ハル様?私の顔に何かついていますか?」
「え?」
「ずっと私を見たままボーッとしていらっしゃるので・・・・・・。お身体の調子が悪いのですか?昨日は少し体調が悪そうに見えましたが・・・。」
「え?へ、平気よ。ごめんなさい。なんだか疲れちゃってね。ありがとう。」
考え事をしながらルイをずっと見ていたせいで不思議に思われてしまった。
危ない危ない・・・・・・。
「では、何かあったらすぐに近くの方に仰って下さいね。」
「ええ。」
そう言って俺のカラのグラス片手に去っていった。
それにしても・・・・・・
「凄いな・・・。」
自分の主人ではない姉さんの昨日の体調の事まで知っているとは・・・・・・
まぁ、インフルエンザって事は知らないだろうけどね・・・・・・・・・。
それにグラスがカラになった瞬間現れるってアイツ・・・・・・超能力者??
んなわけねぇよ。
一人でボケて一人でつっこんで・・・・・・。
ああ、あと1時間。何もなければいいな。
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