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三日目 Last dance④
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「それでですね・・・・・・・・・」
父さん・・・・・・あと少しで1時間たつよ・・・。
ほら、母さんイライラしてる。そろそろやめよ。
会場に来てくださっている方々もイライラしてる。
そして俺も・・・・・・イライラしてる。
早くしてっ!!
本当はちゃっちゃと発表だけして今日は終わるはずだったのに!!
((コツコツ
後ろから靴の音がしたので振り向くと
「ハル様、お飲み物いかがですか?」
「あ、ありがとう。」
そこに居たのはルイで、アセロラジュース・・・・・・ではなく野菜ジュースを渡してきた。
ん?野菜ジュース?俺の好きな飲み物だけど・・・・・・。姉さんが好きなのはアセロラジュースだ・・・アセロラなかったのかな?
「ありがとう。アセロラなかったの?」
「はい?・・・っ!・・・・・・ええと、はい。すみません。」
「??」
ルイが焦っている・・・・・・なんでだろ?
あ、もしかしてアセロラジュースじゃなかった事を俺が怒ったと思ったのかな?
悪い事しちゃったかな?
「野菜ジュースで大丈夫よ。ありがとう。」
「・・・・・・・・・はい。では。」
ルイが去っていったあと、ランさんが来てくれて、カラのグラスを持ってくれた。
ちょうどそのタイミングで父さんの長い長い話が終わった。
「ええー。それでは、私どもの娘のハルの婚約者の発表と致しましょう。」
母さんが疲れきった声で言う。
俺の最後の最後の仕事。
「3日間お疲れ様でした。最後、頑張ってください!!」
ランさんの応援に
「ええ!任せておいて!!」
笑顔で答える。
ドレスを軽く持ち上げ舞台へ上がる階段を登る。
舞台の中央へ行くと今日来てくださった方々の顔が全て見える。
うわ・・・・・・・・・緊張する・・・・・・・・・・・・。
「私が婚約者に選んだお相手は・・・・・・・・・」
心臓のドキドキが・・・・・・ヤバイ・・・。
不安になりランさんの方をチラリと見る。
すると俺の心情を察してくれたのか優しく笑ってくれた。
よしっ!言う!
来てくださった方々の方を向いて・・・・・・あ。
ちょうど目を向けた所にルイがいた。
そして、
((ニコッ
と笑った。
「っ!///」
その笑顔は俺の前でしか作らないいつもの笑顔で・・・・・・
早くあの人の胸へ飛び込みたい。抱きしめたい。キスしたい。抱きしめて欲しい。キスして欲しい。
もう、そのことしか考えられない。
早く発表しよう。
「私が選んだお相手は、隣の国のガク王子です!」
父さんと母さんはやっぱりな。という反応で、会場の皆さんはアインさんだと思ったのかザワザワしている人も居れば、ガクの帰国を知っていて、父さん達同様やっぱりな。という反応の人が居たりと少し落ち着かない雰囲気・・・・・・でも、小さい頃からガクと仲が良かったのは知れ渡っているから皆さん笑顔で拍手をしてくれている。でもね、そんなのどうでもいい。
俺は早くあの人の・・・ルイの所に行きたい。
会場のザワザワを放っておき、さっさと舞台を降りる。
その時ただ一人だけ真顔で拍手もしなかった人がいたことを知らずに。
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