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番外編:馴れ初め⑦
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「はぁっ はぁっ・・・コホッコホッ」
球技大会でもこんなに全力で走らなかった・・・・・・
人ってやっぱり危機が迫ると反射的に本気を出すんだな・・・・・・。
「城の外出ちゃったな・・・・・・。」
このまま戻っても同じ事が起きそうだし、走ったせいで暑い。城の周りを1周してから帰ろう・・・・・・俺の家と違って何時間かかるかわからないけど。
「とりあえず歩くかー。」
ゆっくりとある気だそうと1歩踏み出す。
「っ?!」
口を手で抑えられて捕まえられた。
「ん?!んんん??!」
ずるずると近くの茂みに引きずり込まれる。
誰?!強引だから痛いし!!
ドスっと投げられコケる。
「誰だよ?!・・・・・・・・・あ。」
「こんばんは。カイト様。」
コイツ。学校で俺と敵対してる奴。
「んだよ?!さっさとリリカ様のパーティ戻れよ!!」
「お前が俺とダンスを踊り、俺と付き合うのなら戻ってやる。」
「はぁ?!付き合うってどこに?」
敵対してたやつが何言ってんだ?意味わからん。
「はっ!そういうと思った。こういう事だよ。」
「んっ!んん?!」
キスされて舌まで入れてきやがった。やだ。気持ち悪い。
ファーストキスこいつとか・・・・・・最悪。
ルイが良かった・・・・・・え?
「なっんなんだよ!!気持ちわりぃ!」
引き剥がし、起き上がり、そいつから離れる。
「お前は俺がお前の事を嫌っていると思っているようだが逆だぞ。」
「は?」
「お前の頭の隅でもいいから俺をお前のなかに入れて欲しくて敵という立場になった。だが、お前とお前の執事は仲が良すぎて気に食わん。それにお前はモテるしな。だったらさっさと俺が頂く。それだけだ。」
「な?!」
こいつ、目に光が入ってねえよ・・・・・・怖い。
距離をとった筈だったのにアイツはいつの間にか近づいてきていて・・・・・・ヤバイ!
「どこへ行くんだ?!」
走り出す。
取り敢えず逃げないと。ルイ助けて。ルイ!!
俺は・・・・・・きっと俺はルイが・・・・・・・・・
なんでルイが出てくるのかなんでルイがいいのか分かった気がするけどそれどころじゃないせいで確信がつかない。
「もうやだ!お前どっかいけよ!!」
「俺の物にするんだ!早く止まれ!!」
「もう!助けて・・・・・・ルイ!」
「あ!あそこに!!」
嘘だろ・・・・・・他の王子たちにも見つかった。また鬼ごっこかよ!!
「チッ邪魔が入るな。まぁいい。」
なんか後ろの奴は変なこと言ってるしー!!
先程と同じ人数になり大勢で鬼ごっこ。
「だずげでっ・・・・・・ルイ!!わっ?!」
誰かに手首を捕まれ引っ張られた。やべっ!捕まった・・・・・・終わった。
・・・・・・・・・あれ?この香り。
「王子様方が揃いに揃って何をなさっているんですか?」
「ルイ?!」
顔を上げると少し息を切らしているルイが見えた。
あ、カッコイイ。
そして・・・・・・・・・怖い。
「カイト様は私のものです。皆様諦めて頂けませんか?」
え・・・・・・・・・・・・。
「はぁ?!何言ってんだよ!!執事のくせに!!」
「・・・・・・・・・き・・・・・・な・・・・・・のか?」
あ、やべ・・・・・・・・・チョー怒ってる。
「はぁ?聞こえねぇーよ!!」
「・・・・・・きこえなかったのか?俺のもんに手ぇ出すな。社会的に表に出れねぇようにしてやろうか?」
「「「「「「「「「「「ひいっ」」」」」」」」」」」
腕の中の俺までビクッとしてしまった。
空気が冷たく凍りつき、皆が動けない。
「おーーーーーい!!・・・・・・・・・全く、はえーな。」
「ケイ!?とミリさん?!」
「先程ぶりですね。大丈夫でしたか?」
ミリさんがケイの背中から降りながら俺を心配してくれる。つーかここまでミリさんを背負ってきたのか。お疲れ様、ケイ。
「カイト様、大丈夫ですか?!お怪我は?」
俺の全身を見ながら心配してくれるルイ。
「な、なんで・・・・・・・・・」
「ルイがカイト様知らないかーって聞いてきたからバルコニー行ってたよーって話して外見てみたらお前が追いかけ回されてたから助けに来たって訳。ルイがさビックリするくらい速くて・・・・・・・・・ってそんな事はどーでもいい。・・・・・・・・・・・・てめーら顔かせ?ん?」
今度はケイのオーラが怖くなり、王子様方が固まる。
ケイは(女だが)男のリーダーをしており、誰も逆らえない。
「カイトには手ぇ出すなっつたよな?」
「「「「「「「「「「ひいっ」」」」」」」」」」
「ここは、もう私たちでどうにかするのでカイト様たちはお2人でお戻りください。」
「は、はぃ。」
ミリさんが勧めてくれたので2人で帰る事にした。
だいぶ走ってきたせいで疲れたので近くの公園で休憩する事にした。
「カイト様、本当に大丈夫ですか?!何もされていませんか?!」
「だ、大丈夫だって・・・・・・・・・ぁ。」
キス・・・・・・されたんだった。
「・・・・・・・・・なにか隠していらっしゃいますね。」
「え?ええと・・・・・・そ、そんな事は・・・・・・・・・。」
「カイト様??」
あ、いい笑顔だ。目が笑ってない。
「えと・・・・・・き、キスされました。しかもディープキス。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ルイ?」
「殺しとけば良かった。」
「なに?聞こえない。」
「何でもありません。それ以外は?」
「な、なにも。」
そうですか。と深いため息をつくルイ。
「カイト様・・・・・・・・・」
「なに?・・・・・・・・・っ」
俺の好きな笑顔。風に乗って運ばれてくるルイ香り。声。
好きだ。ルイが。この男が好きだ。
「カイト様、好きです。貴方が。貴方が他の誰かにキスされて嫉妬する。殺したくなるくらいに好きです。」
え・・・・・・・・・ルイも俺が好き・・・?
ルイの笑顔は自信に溢れていて少しイラッとしたけど。カッコよくて。
「俺も。キスされた時にルイだったら良かったのにって思ったくらいルイが好き。・・・わわっ!」
急に抱き締められた。
「城の外に出てしまった貴方を見つけ出し、追いかけるのは大変でした。でも、貴方が私の名前をよんでくださり、それが聞こえたので貴方を助けることが出来ました。・・・・・・愛しています。貴方は私が守ります。」
「え//あ・・・・・・うん///」
なんて恥ずかしいことを言うんだ!!!
「何があっても守ります。私の命に代えてでも。ですから何かあったら私の事を呼び続けてください。」
「ルイが死んじゃうのは嫌だから命がけはやだな・・・。んでも、ありがとう。何かあったらルイの事信じて呼び続けるよ。」
「はい。必ず助けに行きます。」
あ、顔近い。
「んっ」
舌まで絡めた深い深いキス。
リリカ様には悪いけどさっさと城に帰らせてもらって・・・・・・・・・初めての・・・・・・・・・・・・。
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