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いつも通りの俺達
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そうして味付けのことは気にしないとして慣れた手つきでご飯を作り
2つ下の妹と6つ下の弟を起こすため
リビングのドアをあけて廊下から身を乗り出し大声で呼びかける
「二人とも〜!朝ご飯できたから降りてきて〜!」
いつも通りに声をかけると
ゆったりとした軽やかな足取りで歩く音が響き、その後すぐに小走りでけたたましい足音が部屋の中を駆け回る音がした
軽やかな足取りはそのまま階段を降りてきて
リビングのドアを開けると笑顔でハルへと笑いかける
「ハル兄おはよー!顔洗ってくるね!」
ニコニコと微笑む彼女は思春期真っ只中の妹である涼(リョウ)だ
「おはよ、行っておいで冷めないうちにね」
そう声をかけ終わり、ふとさっきまでけたたましく響いた足音がなりやんで居るのに気づく
『あいつまた…』
心でそう呟きながら催促の声をもう一度かけた
「おーーーい!早く降りてこないともうお兄ちゃん達で食べちゃうからなー」
そう声をかけると
「待って待って僕も食べるよ!今日はカツ丼が食べたい!」
と朝からなんとまあ胃がもたれるような事を言いながら元気にニコニコと階段を駆け降りてくるのは弟の光(コウ)だ
「お前ーまた朝から宿題やってないとか思って無駄な努力してたろ?」
「はっ?!なんで兄ちゃんわかったんだ?!僕の部屋って丸見え?!」
「そうじゃないよ…毎朝毎朝…ほんとに光はしょーがないな」
「まあまあ!兄ちゃん!ほら!なんだっけ?短気はその気?ん?あれれ」
「も〜何言ってるんだよ光〜ほら涼と一緒に顔洗っておいで」
「はーーい」
返事だけは一人前な光の後ろ姿を見届けて悠叶はエプロンを解く
お皿を並べ牛乳を机に置き、出来立てのご飯を運ぶと2人を来るのを待った
そして2人が戻ってきたら3人で仲良く食べるのがハルの毎朝の日課だ
食べ終わった後、ハルは自分で作った弁当を持ちいつもなら二人を見送ってから隣接している中学校へ向かうが今日からはそうは行かない
今日からハルは高校生になったのだから
悠叶がこれから通う高校は自転車に乗って20分ほどのそこそこの距離にあるため
どうしても2人より先に出る事になってしまう
(今までは二人を見送ってからだったから何だか見送られるのはなれないな…)
そう思いながら悠叶は妹の涼に戸締りを注意し、
光に忘れ物させないように確認させると、気をつけて2人とも元気に行ってらっしゃいと何度も言う
そのせいか心なし涼が苦笑いしてたのを悠叶は見て、俺は少し…いやかなり過保護なのかなぁと考えた
でも可愛い兄妹が何かあったら?!て思うのは親心…いいや兄心だから許せと思い
後ろ髪を引かれる思いで二人に見送られハルは家を出たのだった
真新しい制服に身をつつまれながらサンサンと輝く太陽の光を浴びながらどことなく落ち着かない気持ちで幼馴染みの家に向かった
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